事業計画とは? 必要性やメリットデメリットを紹介

Contents

Pocket

 

経済産業大臣:中小企業診断士
船越ビジネスコンサルティング代表

船越です。

 

 

あなたの会社は事業計画を作ってますか?

また、あなた自身の計画も作っていますか?

 

経営に計画は必要です。

なぜなら、計画がなければ、いつ何をどのように行うのかが分からないからです。

 

また、経営と同様に自分自身の計画がなければ、行き当たりばったりの人生になりますよね。

 

「私(会社)には、計画なんかいらないし、自由に生きたいんです!」

 

果たしてそうでしょうか?

計画がないことと自由は違います。

 

自由とは、計画をたて実行し、何もしなくても回る仕組みを構築したからこその自由なのであって、適当に過ごすことではありません。

それは、自由ではなく、ただ単に「何も考えていないだけ」です。

 

なので、事業をうまくやるためや、人生で本当の自由を得たいのであれば、計画は作成しましょう。

 

「そもそも、事業計画って何?」

「メリットあるの?」

 

そういった疑問をお持ちの方もいるかもしれません。

今回の記事を読んでいただければ、

 

  • 事業計画とはそもそも何なのか
  • なぜ事業計画は必要なのか
  • 事業計画を作成するメリット
  • 事業計画の他に大切なこと
  • 自分自身計画の必要性

 

以上のことが分かっていただけると思います。

まずは、事業計画について解説していきますね。

 

 

事業計画とは何か

 

事業計画ってよく聞きますよね。

経営者はもちろん、会社員の方も作成する機会があると思います。

 

でも、事業計画って、具体的にどういったものかご存知でしょうか?

 

「事業計画」とは、自社事業の目標を実現するための具体的な行動を示す計画であり、1~5年後の目標や戦略・戦術等を描いたものを言い、もちろんその中に数字も含まれます。

 

つまり、事業計画は会社の方向性、道筋を示したものなのです。

 

 

なぜ事業計画が必要なのか

 

 

事業計画を作成するには時間がかかりますし、面倒くさいと感じる方も多いのではないでしょうか。

なので、正直、作りたくないと避けている方も多いと思います。

 

では、そんな面倒くさい事業計画をなぜ作成する必要があるのでしょうか?

 

事業計画がなければ、そもそも会社が何をしたいのか、どこへ向かうのかが分かりません。

固定費がどれぐらいかかって、どれぐらいの利益が必要なのか、そのためにはいくらの売上が必要なのか。

 

事業計画がなければ、これらのことが分かりませんよね。

 

また、銀行からお金を借りたり、投資家から出資してもらったりするためには、事業計画書が必要です。

自分でどんなに良い事業計画だと思っても、お金を出してもらうためには、事業計画書を作って事業の詳細について情報を提供する必要があります。

 

お金を出すということには大きなリスクをともなうのです。

 

なので、銀行や投資家は、あなたの事業計画の実現可能性についてじっくり検討し、出したお金が回収できるかを検討しなければならないのです。

 

銀行、投資家の立場になって考えてみれば分かりますが、口頭でいくら説明しても相手が納得してくれることはありません。

銀行の場合は、審査担当者の決済が必要になり、窓口となっている担当者からの伝聞だけでは、説得力に欠けます。

 

金融庁の金融検査マニュアルにおいても、「事業計画書(経営計画書)の作成能力は、会社の信用格付けのひとつの要素とするべきである」とされているんですね。

 

投資家の場合には、事業計画書がなければ、そもそも出資を検討してもらえず、門前払いされてしまいます。

なので、第三者の出資により財務力を強化されたいのであれば、まずは、事業計画書を作成するようにしましょう。

 

 

事業計画作成のメリット、デメリット

 

 

事業計画作成のメリット

 

起業の時はもちろん、起業後においても様々な関係者や銀行等に事業内容を説明して、理解や協力を求める必要が出てきます。

 

「メリット」としては、「投資や融資を受けたい」といった場面において、事業計画を作成しておくと、各関係者への説明に説得力が増すと共に資金調達、資金繰りだけでなく公的な支援制度の活用にも非常に役に立ちます。

また、これから行う事業を「事業計画」という形にすることで、あなた自身が、事業の詳細を頭の中で整理することができ、問題点も見えてきます。

 

そして ”従業員に対して” も会社の方向性を示すことで、会社の方向性を理解してもらい、必要な協力を得るためにも重要となります。

また、従業員も会社がどこへ向かっているのかが分かり、安心感も出てきますし、迷うことも少なくなります。

 

 

事業計画作成のデメリット

 

一方で、「デメリット」としては、

 

  • 事業計画作成ポイントが分からなければ、そもそも作成できない
  • 作成ポイントを知らなければ、作成に膨大な時間がかかる
  • 作成ポイントを知らずに作成すれば、めちゃくちゃな計画書になる可能性がある

 

つまり、重要なのは策定ポイントを知るということですね。

次に作成ポイントを解説します。

 

 

事業計画作成のポイント

 

事業計画は提出先によって、例えば、社内向け、社外向けでも融資のための事業計画や再生計画では、内容は違ってきます。

なので、詳細は分けて考えたほうが良いのですが、基本的には下記情報が必要となります。

 

  • 会社概要(経歴、直近のPL、BS、借入明細等)
  • 現状のビジネスモデル図、組織図
  • 自社の強み弱み
  • 外部環境(大企業でなければ、特に必要のない場合もあります)
  • 得意先別、事業別売上明細
  • 借入明細
  • 今後のPL、BS推移
  • 今後の得意先別、事業別売上推移
  • 資金繰り計画
  • アクションプラン計画

 

事業計画の作成ポイントとしては、「どこに提出するか」です。

 

社内向けであれば、BS(貸借対照表)や細かいPL(損益計算書)は必要ないと思いますが、特に気を付けなければならないのは、融資の際の「金融機関向け」の計画書です。

金融機関向けの事業計画書を私は何度も作成しておりますが、ポイントとしては

 

  • 今後の売上計画の根拠
  • 借入返済計画
  • 資金繰り計画

 

上記の3点です。

 

売上根拠は絶対に必要になります。

根拠といっても、希望的数値ではだめです。

 

例えば、

「これから新規事業を行うので、この顧客にこれぐらい売ろうと思ってます。」

みたいなバクっとした計画ですね。

 

具体的に売り先が決まっていて、受注を取っているぐらいでないと記載しないほうがよいです。

もし記載したいのであれば、通常バージョンと新規事業がうまくいった場合と2種類の売上予測を作りましょう。

 

売上が上がる計画をつくり、会社を良く見せたい気持ちは分かります。

しかし、金融機関は、売上が上がるより、売上(利益)が下がることのほうを気にするんですね。

なので、融資の際の事業計画は、根拠がある確実な数値を盛り込むようにしてください。

 

金融機関向けの事業計画でもう一つ、というより、一番重要なのは、「借入返済計画」です。

まあ、当然と言えば当然ですよね。

極端に言えば、売上が下がろうが、きちんと返済さえしてくれれば、文句は言われません。

 

なので、返済が難しい事業計画では当然、お金を貸してくれることが困難となります。

そこで重要なのは、資金繰り計画なのです。

 

「資金繰りは大丈夫か?」「返済がちゃんとできそうか?」

を資金繰り計画で見ます。

 

利益がなければ、資金ショートし、返済ができなくなりますよね。

なので、返済するための売上や利益が必要となります。

 

つまり、売上計画、返済計画、資金繰り計画はすべて繋がっているのです。

事業計画はこの3つのポイントをしっかりとおさえて作成するようにしましょう。

 

 

資金繰り計画のことを述べましたが、資金繰りは予定通りにいかない場合があります。

計画通りにいけばいいのですが、どうしても不測の事態が起きる場合があり、急に現金が必要な時が出てくる可能性もあると思います。

 

そこで、不測の事態を避けるためにも、いざとなったときに

「どれくらい資金調達が可能なのか?」

を知っておくことは安心材料となるでしょう。

 

この件に関しては、専門家にご相談いただいた方がいいと思います。

 

 

事業計画以外に必要なこと

 

 

事業計画の他にも大切なことがあります。

 

それは、「ビジネスモデル」「マーケティング」です。

 

 

そもそもビジネスモデルがなければ、事業計画は作成できません。なぜなら、ビジネスの型がないので、作成しようがないからです。

 

ビジネスモデルがあったとしても、しっかりとしたビジネスモデルでなければ、事業計画の効果が半減するでしょう。

例えば、競争が激しいマーケットで戦うビジネスモデルであれば、そもそも事業の継続自体が難しいので、事業計画が絵に描いた餅になる可能性があります。

 

 

そして、マーケティングが活躍するのは、ビジネスモデルを構築してからになります。

例えば、年配者がホームページを制作できるパッケージングモデルで事業を始めようとする場合、

 

「でも、これをどうやって販売していけばいいのか分からない。」

 

ここで登場するのがマーケティングですね。

なので、たとえマーケティング戦略が優れていても、元々のビジネスモデルがめちゃくちゃであれば、猫に小判状態となります。

 

極端な例でたとえると、「銃を高齢者の安全のために販売するビジネスモデル」。

そもそも法律に反しているので、マーケティングで頑張っても裏社会ぐらいにしか販売できないですよね。

 

逆もしかりです。

いくらビジネスモデルが優れていても、マーケティングが機能しなければ、優れたビジネスモデルがもったいない状態となります。

 

なので、マーケティングとビジネスモデルは切っても切れない関係なのです。

つまり、ビジネスモデルとマーケティング、どちらもビジネスをより効率的に進めていくには、欠かせないものとなります。

 

まずは優れたビジネスモデルを構築してから、マーケティングに取り掛かりましょう。

 

それを形にするのが事業計画となります。

 

「マーケティング」に関しては下記の記事を参考にしていただければ幸いです。

 

経営者に必要なマーケティング戦略と重要な考え方とは?

 

 

自分自身の計画をつくろう

 

冒頭でもお伝えしましたが、自分自身の計画も必要です。

意外と自分自身の計画を作成していない人が多いのではないでしょうか。

 

でも、会社の計画は作成しないといけないと自覚している人が多いのに、

「自分の計画は必要ではない」

「面倒くさい」

というのはおかしくないですか?

 

計画がなければ、ダラダラと今の会社で愚痴を言いながら仕事をすることになります。

なぜなら、どこへ向かったらいいのか分からないからです。

分からないから、不満があっても会社に居続けるしかない、という選択肢しか出てきません。

 

そうではなく、まずは、自分のあるべき姿(ありたい姿)を考えましょう。

現状を認識し、なぜ、あるべき姿に到達していないのかという問題・課題を把握する。

 

そして、具体的な解決策を考え実行する。

そのための計画が必要なのです。

 

もちろん数値を盛り込む必要があり、これは会社の事業計画と一緒です。

計画がなければ、行き当たりばったりの人生になりますし、会社と一緒で目標がなければ、ダラダラした生活になるでしょう。

なんせ目標もなければ計画もないのですから。その日に何をするか、何を食べるかを考えるだけの毎日になってしまいます。

 

こうならないためにも、自分自身の計画を作りましょう。

 

 

以前、私に相談に来られた会社員の方に、自分自身の目標をつくることを勧めた結果、計画を作成すると共に週末起業を始められた方がおられます。

人生の目標がなく、相談時は目が死んでいましたね。

 

「このままでは何のために生きているのか分からん!」

 

と嘆いておられましたが、今では、「稼いで家族と共に充実した人生を送る」という目標を掲げ、稼ぐ計画として週末起業を行い、会社員としても一生懸命、頑張っておられます。

 

ちなみに、無理やり週末起業を始める必要はありませんが、稼ぎたいと共に自分を成長させたい方にもおすすめですよ。

 

 

事業計画とは?のまとめ

 

 

いかがでしたでしょうか。

 

今回の記事で事業計画の必要性を少しは分かっていただけたら嬉しいです。

そして、事業計画に加えて、ビジネスモデル、マーケティング戦略をしっかり構築し、事業計画を価値のあるものにしていきましょう。

 

また、先ほどお伝えしましたが、自分自身の計画もじっくり考えてみてくださいね。

 

ご相談はこちらからどうぞ

事業再構築補助金とは?補助金申請を通じて事業計画を作成しよう!

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA