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経済産業大臣登録:中小企業診断士
船越ビジネスコンサルティング代表
船越です。
今回は「経営者のマーケティング」話です。
そもそも、マーケティングって聞くとどんなイメージを抱くでしょうか?
私が思うに、「マーケティング」って言葉だけが先行して、なにか難しく捉えられている感じがします。
でも、決して難しいことではありません! マーケティングを極めようと思うと至難の業ですが、別に極める必要はありませんし簡単に考えれば大丈夫です!
実際、私も極めていませんしね。。(笑)
ただ、マーケティングを理解して実行できるスキルはあった方がいいです。
なぜなら、、
マーケティングは経営に欠かすことができないからです!
なので、是非とも理解していただきたいと思います!
ということで今回は、
-
経営者に必要なマーケティングとは?
-
経営者のマーケティング戦略で重要なこと
-
経営者がマーケティングを理解すべき理由
以上の内容となっております。
今回の記事を読めば、マーケティングを理解でき、売上を上げるヒントにもなると思いますので、このまま読み進めていただければ嬉しいです!
経営者に必要なマーケティングとは?
あなたは「マーケティング」と聞くと何を連想するでしょうか!?
- 意味不明な言語
- 小難しい理論
- 格好つけが使う言葉
マーケティングって、、なんか格好いい響きの言葉ですよね。。
なので、詳しくはよく分からないけれど適当に「マーケティング」って言っておけばいいか!と考えていませんか?
適当に言っておけば、あまり皆もマーケティングの事分からないですし、自分もあんまし分からないけど、とりあえず格好つくだろう、みたいな。。
でも、マーケティングって、言葉だけ捉えるとなんか小難しいイメージですよね。
私も中小企業診断士の勉強で、ドラッカーやらポーター、コトラー等、小難しいことを色々と学びました。
では、結局マーケティングとは何なのでしょうか!?
Wikipediaでは、”マーケティングは、価値あるプロダクトを提供するための活動・仕組みである。すなわち「顧客・クライアント・パートナー・社会にとって価値あるものを創り、伝え届け交換するための、様々な活動・プロセス・組織」” と定義されております。
その他では、「顧客に価値を提供して対価をいただくこと」であったり、かの有名なドラッカーは、「マーケティングとは、販売を不要にすることだ」と言っています。
ちょっと小難しい解釈ですね。。
専門家によって色々な解釈の仕方がありますが、私が考えるマーケティングとは、「売れる仕組みを作ること」であり、もっと簡単に言えば、、
「売ることに関する全てのこと」
だと思ってます!
そう、売ることに関する全てのことなので、難しく考える必要はありません!
たまに、「マーケティングは営業と一緒!」と言ってしまう方がおられますが、それは少し違うかなと思うんですね。。
売るためのマーケティング戦略の中に、営業や集客、販促、IT戦略が含まれると共に、価格戦略や差別化戦略があるのです。
経営戦略 ➡ マーケティング ➡ 営業等
こんなイメージですね。
ただし、コンサルタントによって解釈が違うので、人それぞれだということは理解しておいてください!
ただ、経営者にとっては上記の分析・情報スキルよりも、売れる戦略や仕組み作りの方が重要です。
分析や情報収集は他の人でも可能ですが、仕組みは営業や販売だけでなく、人材や設備等で多くのお金が必要になってきます。
なので、経営者でないと判断できないことが多いため、仕組みは社長が作るべきなんですね!
また、私はマーケティングには事業計画を作成できるぐらい数値に強い必要があると考えているんです!
なので、経営者であれば「数値も含めたマーケティングスキル」を是非とも身に付けておいて欲しいんですね!!
では次に、もう少しマーケティングを深堀りしていきます!
経営者のマーケティング戦略で重要なこと
ここからマーケティングで超重要なことをお話します!
経営者のマーケティングで大切なことは、「方向性」「一貫性」「具体性」「根拠」です。
- どこへ向かうのか
- どうやって行くのか
上記のことを皆で共有するのですが、具体性と根拠がなければなりません!
まずは、「どこへ向かうのか?」ですね。
旅行で例えると、北海道に行くのか、それとも沖縄に行くのかを決めなければ、どちらへ向かったらいいのか分かりませんし、計画の立てようがありません。
そして、北海道へ行くと決めたら、皆に伝えないといけませんよね!
でないと、ある従業員は北海道、ある人は東京、ある人は福岡、等バラバラに向かってしまいます。
次に北海道へ行くと決めたら、「どうやって行くのか」です。
コストがかかるけれど飛行機で行くのか、お金がないために電車で行く方法を選ぶのか、、こちらも決定して従業員に伝えないといけません!
ただ、ビジネスにおいては意外と違うことをしてる社長が多いんです。
例えば、「低価格路線を脱却し、安売りはやめて高価格ブランドにしよう!」と言いつつ、クーポンはもちろん、セールをガンガンやりまくってる店がありますよね。。
このように、高価格ショップをうたったはずが結局、低価格ショップに対抗して、値段を下げている店を私は実際に何件も見てます!
これこそ正に、北海道へ行くと決めたのに、真逆の沖縄に向かっているということであり、一貫性がないということです。
そして、北海道に行かなければならないのに、経営者自身が飛行機で沖縄に向かっている場合は悲惨なことになります!
この場合、従業員はどうしたらいいのか分からなくなり、それぞれがバラバラの方向へ向かうことになります。
まさに致命的ですよね!?
これでは被害が大きくなるだけです!
また、北海道に行くにしても、北海道のどこなのか?なぜ北海道なのか?といったことを具体性と根拠を持って説明できなければ誰も辿り着きません。
北海道とバクっと言っても札幌と稚内では場所が全然違いますし、札幌の時計台に15時に集合と具体的に言わなければ、皆が揃うことはないです。
そして、根拠がなければ誰もついてきません。
北海道に行く理由が、「知らないけどたぶん何かあるだろう。」ではなく、真夏でも涼しいうえ、小樽や函館の景色が素晴らしく、ほっけやうに、いくらといった魚介類がめちゃ美味しいからといった根拠ですね。
根拠がなければ説得材料がなく、適当なものになってしまいます。
マーケティングに大切な「一貫性」
ここまでで方向性の大切さは実感してもらったとは思いますが、次は一貫性についてのお話をします!
戦略を立てるにあたり、「方向性を定めないと、従業員はどこに進めばいいのか分からない」と先ほど言いました。
さらには、一貫性が重要となるのですが、マーケティングにおいて、
- お客さん像
- 市場、ライバル
- 強み
- 独自の経営資源
- 想い
上記の設定が必要です。
簡単に言えば、ライバル社にはない、自社独自の経営資源(人材、特許、ノウハウ等)に基づいた強みが活きる市場で、自社商品(サービス)を求めているお客さんに提供する、ことですね!
さらに細かく言えば、上記の4項目を
- 誰に
- 何を
- どのように
- なぜ
上記の4つに絡ませることになります。
「誰に」は市場やお客さん像が当てはまり、「何を」は商品(サービス)で、「どのように(どこで)」販売するのか?
ここに全て、上記の強みや独自資源が関係してきます。
そして、
- 誰に販売するのかが決まれば、それは「なぜ」なのか?
- 商品やサービスが決まれば、なぜその「商品(サービス)」なのか?
- 販売する場所が百貨店やネットであれば、それはなぜなのか?
以上を深堀りすることでさらに詳細を詰めることになります。
また、なぜなのかを顧客視点で考えることで、想いも伝わるんですね!
アパレル店で例えると、お店は少ない数量で多サイズ展開できるノウハウが強みだから、少しぽっちゃりした人向けに販売しようかと考える。
理由は昔、社長自身もぽっちゃりだったため、気持ちが凄く分かるから。
このような考えはいいですね!
なぜ、ぽっちゃりした人向けなのか?
に対して、強みが少ない数量で多サイズ展開できる強みがあるからです。
しかも、昔ぽっちゃりだったことで、おしゃれをしたいけれどぽっちゃり向けの商品がなくて困った、という悩みや購入者の気持ちが分かるし、そんな人の手助けをしたい!という想いが伝わることになります!
こんなイメージです!
さらには、一貫性がとても大切になります!
一貫性の無さの極端な例で、自社が得意で自信を持ってる商品(サービス)のお客さん像はシニア女性場合だと仮定します。
でも、実際に購入するのは中年のおじさんで、若者向けにTikTokやインスタで販促をしている、、みたいなめちゃくちゃな状態です。
ここまで極端な例は少ないでしょうが、少し、「ドキっ!」とした方はおられるんじゃないでしょうか!?
これが、”戦略に一貫性がない” ということであり、意外と、当たり前のことを当たり前にしていない企業が多いんですよね。。
なぜでしょうか!?
実は「売上が厳しい」という理由が一番多いんです!
売上が厳しいため、先のことなんて考える余裕がなく、今の売上になるんであれば、何でもいいから仕事を取る。
こんな感じの会社が多いんですね。。
なので、一貫性のないマーケティング戦略となってしまうんです!
ただ、矛盾しますがこれは末期的企業には有効になります。
なぜなら、末期的な企業は資金繰りが相当やばい状態なので、とりあえず目先の現金を得ないと倒産してまうからです。
問題なのは、経営が少し苦しくなりだした会社が、この一貫性のないことをするのがマズいんですね!
ちょっと売上が苦しいから、会社の方向性とは違ったり、合わない仕事もする。
↓
少し売上が上がるため、ますます訳が分からない仕事もやるようになる。
↓
周りからは何の会社なのか、何がしたいのか分からない状態になる。
↓
結果、本来の仕事であったり専門としている仕事依頼が減り、さらに苦しくなる。
このように、せっかくの強みを持っているのに、強みを活かさず目先の売上に固執してしまうと、短期的には良くても長期的には厳しい結果となります!
マーケティングでは一貫性も非常に大切なので、意識するようにしてくださいね!
経営者がマーケティングを理解すべき理由
ここまでマーケティングの内容と重要である理由をお話しました。
なぜ、詳細を先にお話したかと言いますと、マーケティングがなぜ重要で、何か分からなければ、理解すべきとは思えないですよね?
私は経営者であれば「マーケティングスキル」は身に付けておくべきだと思います!
なぜなら、ここまでお話した通り、マーケティングは経営において必要不可欠なことだからです!
しかもマーケティングスキルに加え、数値に強ければ、自分で事業計画を作成することができ、他社と差別化を図ることが可能になります!
でも、、
今の状態が永遠に続くとは限らない!
ということを知っておいて欲しいです!
現時点では存在している会社でも、10年後には無くなっているかもしれませんし、無くなりはしなくても買収されたり、組織が大幅に変更になったり、縮小する可能性もあるんですね。
10年後に今と同じ状態を保っている方がめずらしいと思います。
数年前に人気だった旅行業界やANA、JAL等の航空会社がコロナでボロボロになることを想定できたでしょうか?
➡コロナ後は回復しましたが。。
10年前に、新卒で人気上位だった銀行が今、再編で大変な状況になると分かっていたでしょうか?
その前で言えば、世界でも強かったシャープやパナソニック等の家電企業が中国の企業に追い込まれると想像できたか!?
つまり、今は安泰の会社であっても、10年先なんて誰も分からないんです。
信じられるのは、己の知識、能力、スキルのみなんですよ!
能力やスキル、経験はあなたの会社にとっての大事な資産なんです!
当然アップデートは必要ですが、スキル等の資産が蓄積されれば、どんな苦難があっても乗り越えることができます!
なので、会社はもちろんですが、経営者自身もスキルアップはすべきですし、マーケティングを学ぶべきだと思うんですね!
もちろん、マーケティング以外でも構いません。
ただ、財務やITでもいいですが、マーケティングの考えは必ず必要となるので、いつかはマーケティングに戻ってきてください!!
もし、それでもマーケティングがよく分からないのであれば、誰かに頼ることを考えるのもいいかもしれません。
マーケティング専門の従業員であったり、私みたいなコンサルタントでもいいです。
でも、任せきりではなく、一緒に戦略を立ててくださいね!
やはり、経営者であれば戦略は立てるべきだと思いますし。。
マーケティングで売上を上げる方法
気付いてもらえたか分かりませんが、ここまででマーケティング専門用語を使っていないですよね?
マーケティングを知っておられる方にはお馴染みである、
- 4P
- 3C
- 5フォース
- SWOT
- コアコンピタンス
- バリューチェーン 等
これらのマーケティング専門用語がマーケティングを難しくしているのかもしれませんね。。
逆に言えば、これらの用語を適当に使っていれば、マーケティングっぽく聞こえる訳です!
ただ、これらの専門用語は必要ありません!
簡単に考えればいいですし、「マーケティングは売ることの全て」でOKです。
そして、マーケティングで売上を上げる方法は、既存顧客を大切にすることです!
客数 × 客単価
上記の考え方は簡単に言えば、客数は、新規顧客と既存顧客であり、客単価とは、購買頻度、購買回数、客単価と5要素に分かれます。
もちろん新規顧客は重要ですが、より大切なのは、”既存顧客” です。
普通は新規顧客に目がいきがちですが、新規顧客を増やす前に、まずは既存顧客に必要とされることが重要になります。
既存顧客に必要とされていないのに、新規顧客を増やそうとしても失敗に終わるんです。
焦って新規顧客を増やそうとしても、基盤が整っていなければ必ず失敗します!
つまり、逆に基盤が整っていれば、自然と新規顧客は増えていくんですね!
なので、特に中小企業は、まずは内を固めなければなりません。
なぜなら、中小企業は大企業と比べて知名度、ブランド力が弱いため、新規顧客が集まりづらいからです。
内を固めずがむしゃらに新規開拓をしても、短期的に売上が上がるかもしれませんが、いずれはうまくいかなくなりますし、私はそんな企業をいっぱい見てます。
新規顧客を増やす前に、まずは既存顧客から必要とされること。
このことは非常に大切なことなので、覚えていただければと思います!
飲食店でのマーケティング事例
成長している会社はマーケティングを理解しており、さらに一貫性があります。
なぜ、一貫性が大切なのか!?
私に相談に来られた、飲食店のオーナー夫婦を例に、簡単にご説明しますね!
そのお店の強みは、手の込んだ料理・サービスとリピーターの存在です。
狙う市場は、ゆっくりと美味しく食べられる場所、ターゲットは、食事にこだわる地元住民です。
しかし、徐々に客数が減少し、結果、売上も厳しい状態。。
そこで、お店のオーナーが考えた方法は「新規顧客を呼び込むために、新規の方のみ安くなる割引券を近所にポスティングする」というものでした!
この方法は、短期的には売上が向上するので、売上が厳しい時にどこのお店もよくやりがちです。
しかし、戦略が一貫していません。
新規客のみに割引券を渡してしまうと、リピーターである既存客はどう思うでしょうか!?
私がリピーターであれば、嫌な感じがしますね。。
なぜなら、リピーターであるにもかかわらず、損をしているうえに、雑に扱われている気がするからです。
なので、もし軽いあしらいを受けると、怒るか黙って去ってしまうんです!
また、商品(サービス)を安く提供するようになってしまうと、売上を上げるためには、客数をさらに増加させなければなりません。
そうなると回転率を上げる必要があり、今まで通りにゆっくりできなくなります。
結果、既存顧客、リピーターが減少することになるのです。
つまり、商品単価を下げることで短期的には売上が上がるかもしれませんが、固定客が離れ、長期的には経営が悪化することになります。
なので、こういった目先の利益に走る戦略は避けた方が良いです!
そこで、相談者とお話をして戦略を見直すことにしました。
行ったことは、下記です。
- 既存顧客の接客強化
- メニューの変更
- 商品の試食、試飲
簡単に説明すると、既存顧客の好みを把握し、接客対応する。
また、手の込んだ料理を見やすくするためにメニュー表の変更を行いました。
そして、おすすめ商品をさりげなく試食、試飲してもらい追加オーダーをもらう仕組みを構築。
結果、オーダー数が増え、顧客満足度も高まったため、客単価と来店頻度が増加したのです!
上記のように、「強みを理解してくれる顧客」を取り込む。
言われてみれば当たり前なことなのですが、現実はそうではないのです!
例えば、ブランド力が強みであるアパレルショップのセール乱発です。
このように、一貫性のないマーケティング戦略は、自社の強みを自ら打ち消しているため、長期的に見れば企業を衰退させることになります!
そして、一貫したマーケティング戦略によって、各分野で行うことが決まります。
先ほどの飲食店を例にしますと、接客人材を採用する場合、テキパキとこなすタイプより、気の利いたサービスが提供できる地元の人が基準となりますね!
販促も自社の強みを評価してくれる顧客に向けたものとなり、リピーターを増加させるための方法を採ります。
IT戦略においては、新規顧客向けではなく、既存顧客・リピーターのためのSNSコミュニティの提供等。。
このように、戦略が一貫していれば、各分野で行うことが明確になるんですね!
最後に
今回は「経営者に必要なマーケティング戦略と重要な考え方とは?」として、
-
経営者に必要なマーケティングとは?
-
経営者のマーケティング戦略で重要なこと
-
経営者がマーケティングを理解すべき理由
以上の内容をお伝えしました。
マーケティングとは、「売れる仕組みを作ること」であり、もっと簡単に言えば、「売ることに関する全てのこと」です。
マーケティングは経営にとっても大変重要なことなんですね!
なので、マーケティングスキルを身に付ければ、経営の手助けになることに加え、会社自身の価値も高まります。
今の時代、10年後はどうなっているか分からない世の中です。
なので、是非ともスキルや経験等の資産を積み上げて、他社と差別化を図るようにしてください!
今回の記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです!
➡【店舗マーケティングはどうすればいい?】顧問先の事例を紹介します
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