こんにちは!
中小企業診断士で下町のコトラーこと、船越です。
今回は雑談ですが、知り合いの「A社長」の話です。
ある時にA社長が、
「私の会社は経営的に大丈夫ですよね?」
と聞いてきたんです。
前から仲が良かった社長なのですが、特に顧問でも仕事上で何かお手伝いした経験がないので、少しびっくりしたのですが、心配していたので相談に乗ることにしました。
ということで後日ではなく、早速その場(会社)で3期分の決算書を見せてもらったんですね。
まあ、運よくその場に決算書があったわけなので。
A社長は以前から、「うちの会社は大丈夫!」と豪語していたのですが、決算書を見てみてびっくり!
BS(貸借対照表)を見るとなんと、、
「A社長、債務超過じゃないですか!!」
A社長「債務超過ってなに?」
・・・
社長、マジっすか~!
「債務超過」とは簡単に言えば、負債の総額が資産の総額を超える状態です。
つまり、資産をすべて売却しても、負債を返済しきれない状態のことなんですね。
A社長「ふ~ん。。でも、利益出てるから大丈夫でしょ?」
いや、利益が出てないから債務超過なんですけど。。
で、PL(損益計算書)を見てみると、、
「A社長、前期、めちゃ赤字じゃないですか!!」
A社長「そんなわけないでしょ~」「あ、本当だ!!」
・・・
いや、社長、それは私が言いたいっすよ・・
前期が赤字か黒字か知らないなんて・・・
つまり、A社長は決算書を見るどころか、赤字か黒字かも把握していない状態だったんです!
とにかく、中身を見て比較してみます。
前期と前々期の売上高はほとんど一緒なのに、前々期は少し黒字で前期は赤字。
理由はすぐに分かりました。
支払い手数料と運賃が数倍多くなっていたのです!
私「この金額が大幅に増加したのが原因ですが、この項目の内容は何ですか?」
A社長「あ、そうやって決算書って見るんだね。」
・・・
私は普段から決算書を見ているので比較するのが当たり前なのですが、見慣れていない人は決算書の見る方法すら分からないんですね。
まあ、A社長みたいに極端な人は少ないですが。。
前期から既存の商品の販売額が減ったかわりに、インターネット販売額が増え、支払手数料と運賃が上がったことが理由でした。
つまり、インターネット販売で利益が出ていると勘違いして、どんどんとネット販売を行ったことでネット売上は大幅に増加したものの、経営は悪化しているんです!
なので、詳しく調べればおそらくネット販売事業は赤字となっているはずです。
なんせ、既存商品の販売率が高いときは黒字だったので。。
しかも、ネット販売が増えていることで人員を増やし人件費も増えていました!
ということで、A社長には事業部別の損益を出すこと、つまり
- 粗利 ー 人件費(ネットだけの)+ 支払手数料 + 運賃
上記と、仮に赤字の場合、 損益分岐点を超える売上までもっていくか、もしくはネットを減らし既存事業の売上を上げるかのどっちかだとアドバイスしました。
結論として、なぜ赤字なのかは、
- 会社の数字を全然見ていないこと
簡単な理由でした。
会社の数値を見ていないから、赤字になっても不思議ではありません。
A社長「でも、ちゃんと借金の返済はできてるし、倒産しないでしょ?」
と言ってましたが、赤字だからすぐに倒産するわけでもありません。
現金がなくなればアウトなんです!
実際にまだ現金に余裕があり、赤字でも減価償却費を足せば少しマシになっていたのですが、このままだといずれ現金も底を尽きます。
なので、今すぐ改善した方がいいですし、数値にも興味を持ってくださいよ~とお伝えしました。
数値は正直ですね。。 さすがに社長も焦っていました。
なので、今期は大丈夫でしょう!
知らんけど笑。
後日談ですが、ネットの販売量を減らしたおかげで何とか黒字化しました。
力を入れれば入れるほど赤字になるって悲しいですね。。笑
皆さんも気を付けてくださいね!
➡【利益の種類】経営に必要な粗利、営業利益、経常利益まで解説します










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