強みの棚卸し方法|小さな会社が選ばれる6つの視点【ワーク付き】

 

こんにちは!
中小企業診断士で下町のコトラーこと、船越です。

 


いきなりですが、「あなたの強みは何ですか?」と聞かれたら、すぐに答えられますか?


創業相談やビジネスモデル講座でお会いする方にこの質問をすると、だいたいこんな答えが返ってきます。

  • 「いや〜、当たり前のことしかやってないので、強みと言われても。。」
  • 「周りと同じような商品なので、違いなんて出せないですよ」
  • 「強みを書き出してみたけど、ホームページに使える言葉にならないんです。。」


ですよね。。

気持ちは、すごく分かります!

 

でも、大丈夫です!

これは、能力や経験が足りないからではないんですね。

多くの場合、強みを「単体で」探しているのが原因なんです。

 

強みの価値って、「誰に」「どんな想いで」「どこで」「誰と比べられて」届けるかで決まります。

同じ技術でも、お客さんや市場を変えるだけで、強みになることも、ならないこともあるんですよね。

 

なので今回は、私が講座で使っている「強み棚卸し・6つの視点」を、ワークと記入例つきでお話します!


紙とペン(スマホのメモでもOKです)を用意して、読みながら一緒に埋めてみてくださいね。

最後には、あなただけの「選ばれる理由」が1本の文章になりますよ!

 

ちなみに、マーケティング全体の話は下記記事でまとめています。

先に全体像をつかみたい方は、こちらをどうぞ!

➡創業時のマーケティングとは?売れる仕組みとビジネスモデルの作り方

 

目次

6つの視点は「1本のストーリー」です

 

6つの視点は、バラバラの質問ではありません。

「想い」を出発点に、全てがつながっています。

書く順番は特に決まってませんが、1からの順が書きやすいかもしれませんね。

 

  1. なぜやるのか(想い・原点)
  2. どんなお客さんか(届けたい相手)
  3. 自分の強み(選ばれる理由)
  4. 自分だけの持ち味(真似できない源泉)
  5. どこで戦うか(市場・発信の場)
  6. 相手は誰か(比べられる存在)

 

「え、強みが③なの?最初に書かないの?」と思いましたよね。笑


理由はシンプルです。

強みは「誰に届けるか」が決まって、はじめて光るからなんですね。

いきなり強みから考えると、ただの「自己満足・自慢大会」になりやすいんです。。

 

それでは、①から順番にいきましょう!

 

視点①|なぜやるのか(想い・原点)

 

すべてのビジネスの出発点です。

私は、勝つ人は「強い人・凄い人」ではなく、「一番想いが強い人」だと思っています。

 

創業の原点や理念がはっきりしていると、商品やサービスに説得力が出ます。

自分の苦い経験や挫折、そこから生まれた「強い想い」は、お客さんの共感を生む源泉になるんですね!

 

あ、「立派な理由」は用意しなくて大丈夫です。

小さな原体験でも、自分の言葉で書いたもののほうが、よっぽど伝わりますから。

 

ワーク:自分に聞いてみよう

  • なぜ数ある選択肢の中から、この事業・活動を選んだのか?
  • あなたの想い(例えば、「良い商品を人に届けたい」)は、どんな過去の経験・苦労から生まれたのか?
  • 3〜5年後、理想の姿で活動している自分は、誰にどんな想いを届けているか?


箇条書きでOKです!

文章になっていなくても、全然かまいません。

 

考えるコツとしては、、

  • 「いつ・どこで・誰が」を思い出すと、原体験が見つかりやすいです
  • 苦しかったこと、悔しかったこと、「こうあればよかった」と思ったことがヒントになります
  • きれいにまとめようとせず、まずは本音で書き出してみてください


経営って、目的地を決めずに車を走らせると迷子になっちゃうんですよね。。

想いは、その「目的地」になります。

 

視点②|どんなお客さんか(届けたい相手)

 

①の想いを、いちばん届けたい人は誰でしょうか?

 

「みんなに届けたい」とお客さん像を広げすぎると、誰の心にも刺さらない商品になってしまいます。

年代・性別・状況を具体的に絞り込むほど、深い悩みにズバッと刺さるメッセージが作れるんですね。

  

とはいえ、絞るのって不安ですよね。。

「お客さんが減るんじゃないか?」って。


でも実際は逆なんです。

「私のことだ!」と感じてくれる人が現れて、はじめて選ばれる理由が生まれます。

 

ワーク:お客さん像を書き出してみよう

  • 年代・性別・状況は?(例:子育てが落ち着いた40代女性、仕事の疲れを癒したつ20代の会社員 など)
  • その人は今、何に悩んでいたり、何を求めていると思うか?
  • その人に何を届けたいか? 市場はあるか? 自分の強みは活きるか?

 

考え方のコツとしては、、

  • 属性(年代・性別)だけでなく、「今どんな状況か」まで書くと、具体的になります
  • 「過去の自分」と同じ悩みを持つ人を想像すると、書きやすいです
  • 一人の人物として思い浮かべられるくらいまで絞ってみてください


ちなみに、無理に年齢で絞る必要もありません。

「何に悩んでいたり、何を求めているのか?」で絞り込むのもありですね。

 
 

視点③|自分の強み(選ばれる理由)

 

さて、やっと「強み」の登場です!笑

 

②のお客さんに対して、自分だから届けられる価値は何でしょうか?

ここで大事なのは、「思い込みの強み」ではなく、客観的な事実にもとづくことです。

 

実際に周りから言われた言葉、お客さんが選んでくれた理由、これまでの実績を思い出してみてください。

自分では当たり前だと思っている技術や対応が、他の人には大きな価値になっている。

これ、本当によくある話なんです!

 

ワーク:強みの「証拠」を集めよう

  • これまでの経歴の中で、人から褒められたこと・感謝されたことは何か?
  • 自分の作品やサービスを見た人から、実際に言われた言葉はあるか?
  • 他の同業者が持っていない、自分だけの経験やスキルは何か?

 

考え方のコツとしては、、

  • 「ありがとう」「助かりました」と言われた場面を、思い出せるだけ書き出してみます
  • スキルだけでなく、対応の速さ・丁寧さ・話を聞く力も立派な強みです
  • 家族や友人に「私の良いところは?」と聞いてみるのもおすすめです


お客さんに直接聞けるなら、「どんな点を選んでくださったのですか?」と聞いてみるのが、いちばん確実ですよ!

 

視点④|自分だけの持ち味(強みの源泉)

 

③の強みを裏付ける、自分だけの経験は何でしょうか?

 

④は③の「源泉」です。

目に見えない個人的な背景、つまり経歴・経験・出会い・エピソードに注目します。

 

技術は真似されても、あなたが歩んできた人生のストーリーは、誰にも真似できません。

業界での異色な経歴や失敗談こそ、最高の独自資源になります。

自分では「恥ずかしい」「遠回りだった」と思っていることほど、お客さんにとっては「この人なら分かってくれる」という安心感になるんですよね。

 

ワーク:自分だけのストーリーを探してみよう

  • 他の人が簡単に真似できない、自分ならではの経験・人脈・ストーリーは何か?
  • 複数の経験や異なる背景を持っているなら、それは今の活動にどう活きているか?
  • 家族の環境や過去の挫折など、意外な背景は将来どう活かせそうか?

 

考え方のコツとしては、

  • 「どんな技術か」ではなく「なぜその技術を身につけたか」を書きます
  • 異なる業界を渡り歩いた経歴は、組み合わせると希少性が高まります
  • 人の個人情報や、以前の職場・取引先が特定できる内容は、ぼかして書きましょう


③と④は、セットで考えるとスッキリします。

「この強みは、こういう経験から生まれた」とつなげられれば、あなたの強みには根拠と物語ができますよ!

 

視点⑤|どこで戦うか(市場・発信や活動の場)

 

③④の武器をいちばん活かせる市場はどこでしょうか?

ここで、戦う土俵が決まります。

 

同じ商品・サービスでも、どの市場を狙うかで、お客さんも競合も、得られる利益も大きく変わります。

価格競争の激しい市場か、ゆったり高単価で戦える市場か?

同じスキルでも、市場を変えるだけで景色が一変しますよ!

 

市場は「業種」ではなく「お客さんの目的」で見る


市場を「業種」でくくると、大手や同業とすぐ比較される激戦区に入ってしまいます。

なので、次の問いから市場を定義し直してみてください。

 

お客さんは、これを買うことで本当は何を手に入れたいのか?

例業種で見た市場(×)お客さんの目的で見た市場(○)
アート作品(絵画、押し花等)が得意な方アート市場ギフト市場(想いを伝える市場)
美容室美容室市場カウンセリング型ヘアケア市場(自分に自信を取り戻す市場)

 

同じ「絵」でも、「アートを買う人」を相手にすると競合が多いんですが、「大切な人へ、想いを伝える贈り物を探す人」を相手にすると、見える景色が変わりますよね。

 

ワーク:土俵を見直してみましょう

  • どの市場で戦いたい、もしくは勝てると考えるか?
  • その市場は、価格競争が激しい市場か、ゆったり高単価で戦える市場か?
  • 本当はやってみたいけれど、まだ挑戦できていない市場はあるか?


「ただ安いから選ばれる」市場では、小さな会社は無理をして疲れてしまいます。

ゆったり戦える土俵を選ぶことが、強みを活かす近道ですよ!

 

視点⑥|相手は誰か(比べられる存在・差別化)

 

その場所で、お客さんはあなたをどう比べるのか?

ここを知ると、自分らしい見せ方・伝え方が磨かれます。

 

お客さんはあなたを選ぶ前に、必ず頭の中で「他の選択肢」と比較しています。

比較相手は、同業者だけじゃありません。

例えば、ランチに行く人は近所の飲食店だけでなく、コンビニ弁当とも比べているんですね。

 

差別化の3つの軸

軸内容小さな会社・お店にとっては
① 大手軸安くて早い便利目指してはいけない土侵
② 質・ブランド軸技術や世界観で魅了する、専門性で勝負する専門性が高いなら有力
③ お客様軸(おすすめ)お客さんに親身に寄り添い、一括で解決する小さな会社の強みが最も活きる

 

大手と同じ軸で戦うと、価格・スピード・規模で負けてしまいます。


小さな会社・お店は、お客様軸(親身さ)か質・ブランド軸(専門性)で勝負するのが基本です。

大手に対して「安さ」で立ち向かうのは、本当にしんどいですよ。。

 

ワーク:比べられる相手を書き出してみましょう

  • お客さんは、あなたを選ぶ前にどんな選択肢と比べていそうか?
  • その相手は、上の3つの軸のうちどこで勝負しているか?
  • 自分は、どの軸で選ばれたいか?

 

考え方のコツとしては、、

  • 自分のサービスを、お客さんの立場で検索してみると、比較相手が見えてきます
  • 「なんとなく同業は敵」と考えず、お客さんの目的で比べられる相手を探します
  • 3つの軸のうち、一つに絞って磨くとメッセージが伝わりやすくなります

 

記入例|地域密着の美容室の場合

 

業種が違っても、考え方の「型」は同じです。

美容室を例に、①〜⑥の埋め方を見てみましょう!(例として作った架空のケースです)

 

視点記入例
① 想い「鏡を見るたびに、自分を好きになれる人を増やしたい」。自分自身が髪で悩んだ経験から生まれた想い。
② お客さん白髪や髪質に悩み、大型チェーンでは相談しづらいと感じる40~60代女性。
③ 強み白髪染め・くせ毛矯正に特化した15年以上のキャリアと、一人ひとりに合わせた丁寧なカウンセリング力。
④ 持ち味自身も若い頃「似合う髪型が分からず」悩んだ経験。だからこそ悩みに深く共感できる。また、心理学の知識(長く習っていた)もある。
⑤ 市場白髪・髪質の悩みに寄り添う、カウンセリング型ヘアケア市場。
⑥ 相手駅前の大型チェーン美容室や、回転率重視の格安カット専門店。技術特化と心理学を活かした接客で差別化。

 

この美容室の「選ばれる理由」は、「技術が高い」だけじゃないんですね。

「白髪に悩む大人女性の気持ちが分かる、相談しやすい小さな美容室」。

こうなると、もうライバル店と比べにくい存在になります!

 

6つを「1本の文章」につなげるテンプレート

 

では次に①〜⑥に書いたことを、次のテンプレートに当てはめてみてください。

多少ぎこちなくても大丈夫です!

 

私は、【①の想い】という想いから、「【②のお客さん】」という人に向けて、「【③④の強み・持ち味】」を活かして、「【⑤の市場・場所】」で、「【⑥のような他のライバル】」ではなく、私だからこそできる価値を届けます。

 

美容室の例だと、下の感じになります。

 

私は、「鏡を見るたびに自分を好きになれる人を増やしたい」という想いから、大型チェーンでは相談しづらいと感じる40~60代女性に向けて、白髪染め特化の技術と自身の経験を活かして、完全予約制の小さな美容室という場で、回転率重視の大型チェーンではなく、私だからこそできる価値を届けます。

 

この1文ができたら、ホームページのトップやチラシ、名刺のキャッチコピーの土台になりますよ!

 

強み棚卸しでよくある3つの失敗

 

ワークをやるときに、つまずきやすいポイントをお伝えしますね!

 

  1. 強みだけを先に探してしまう:③から始めると、「自分がそう感じている」だけになりがちです。なので、①の想いと②のお客さんから順に書く方がいいかもしれませんね。何事も「お客さんから見れば」が大切ですし、ライバルとの比較も重要になります。
  2. お客さん像を広げすぎる:「みんなに届けたい」は、誰にも届かない原因になります。一人の人物が思い浮かぶくらいまで絞りましょう。
  3. 一度で完璧にしようとする:棚卸しは、一度書いて終わりじゃありません。お客さんの反応を見ながら、書き直していくものです。まずは粗くてOKです!

 

私も、つい一発で決めたくなっちゃうタイプなので、気持ちはよく分かります。笑

 

まとめ|6つの視点がつながると、「選ばれる理由」が見えてくる

 

強みは、単体で探すものじゃありません。

想い・お客さん・市場・比べられる相手との関係の中で決まるんですね。

 

  • ①なぜやるのか(想い・原点)
  • ②どんなお客さんか(届けたい相手)
  • ③自分の強み(選ばれる理由)
  • ④自分だけの持ち味(強みの源泉)
  • ⑤どこで戦うか(市場・発信の場)
  • ⑥相手は誰か(比べられる存在・差別化)


特に順番はありません。

⑤の市場から入ってもいいです。

もし、どれからが良いか分からなければ、最初はこの順番で書き出して、最後に1本の文章にしてみてください。

そして、①~⑥の整合性も確認してくださいね。

 

書き終わる頃には、「自分は誰に、何を届ける人なのか」が、かなりはっきりしているはずです!

 

一人で進めるのが難しいときは


とはいえ、自分の強みって、自分では本当に見えにくいんですよね。。

「書いてみたけど、これで合ってるのかな?」と不安になるのも、あたりまえです。

 

そんなときは、私の講座で一緒に整理しましょう!

この記事のワークは講座でも使っている内容ですが、少人数で対話しながら進めます。

 

講座という名の相談を含めたお話もさせていただいています。

初心者の方も大歓迎ですのでお待ちしております!


➡ 【中小企業の社長向け】強みを活かして差別化!ビジネスモデル構築講座

➡【起業・創業】集客に困らない!失敗しない事業計画&売れる仕組み講座

➡【中小企業】社長のための売上を上げるマーケティングと経営計画講座

 

以上、今回は強み棚卸し「6つの視点」のお話でした。

少しでも参考になれば嬉しいです!

 

次回は、その強みを「売れるしくみ」に変える、未来型ビジネスモデル3.0の「7つの型」をお話ししますね!

  

【関連記事】創業時のマーケティングとは?売れる仕組みとビジネスモデルの作り方

 

 

 

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