こんにちは!
中小企業診断士で下町のコトラーこと、船越です。
今日はちょっと「強み」の話をしたいと思います。
クライアントの社長であったり、知り合いの経営者から「自社の強み」が分からないといった話はよく聞きます。
中小企業、特に小さい会社で多いんですね。
なぜなら、大企業みたいに大きい設備や町工場みたいな特殊な技術を持っていないからだと言います。
先日もある社長が、「強みなんかあったら、もっと儲かってるよ!」 と言ってましたが、、
本当に強みは存在しないのでしょうか!?
はっきり言います。
どの会社にも強みなんて存在しない。
そう。 そうなんですよ。
「おめー、前からどんな会社でも強みはあるって言ってたじゃねーかよ!!」
と、そんな罵声が聞こえてきそうです笑。
誤解を恐れずに言いますと、どの会社にも強みはないんです。
“○○という事実があるだけ“ なんですね!
例えば、○○ネジの加工技術が高いということは事実ではありますが、その時点では強みではありません。
「強み」だと認識し活用することで、初めて「事実」が「強み」に変化するわけです。
もし、○○ネジの加工技術が高いとしても、極端ですが、美容院を経営したい!となった時に強みとなるでしょうか?
たぶん、ならないですよね。。
また、若手の人材育成を得意としている会社が、人材育成を事業としているわけでもなく、従業員がゼロであれば「強み」ではなく「人材育成が得意」という事実があるだけになってしまいます。
なので、事実を強みに変換できるかは、自社、あなた次第になるんです。
でも、そもそも、自社の強みがわからない。。
この疑問を持つ理由の大半は、大きい会社と比較してしまっていることが原因であることが多いです。
あなたの会社はどこで誰と戦っているのか!?
あなたの会社は大企業と戦っているのでしょうか?
おそらく違うはずですし、大手と争っても資金力が違いすぎて負けるだけです。
大半の会社は、ライバル企業は同じ規模の会社だと思います。
メーカーであれば、取引先がよくかぶる会社、飲食店であれば近くの飲食店ですね。
そのライバル会社や店と比較して、勝っている部分が「強み」になります。
少しでも勝っていれば、それが強みとなるんです!
では、どのように見つけるのか!?
自社の強みの見つけ方は、「どこで誰と戦っているのか」、新規事業であれば「どこで誰と戦うのか」によります。
支援先の低価格居酒屋を例にして簡単に話をすると、
- 料理の腕や知識が深く高付加価値素材を低価格で提供している
- 人材育成が得意で離職率が異常に低い
- 経営者の人脈が豊富で常連客にも経営者が多い
上記の事実がありました。
そして、新規事業として「高級飲食店」をオープンすることにしたのです。
ということは、
- どこで = 高級飲食市場
- 誰と戦う = 周囲の高級飲食店(寿司や割烹、ステーキ屋等)
低価格居酒屋では、料理の腕が良いとか素材の知識が深い、低価格の割には、、等は「強み」になり得ますが、高級料理店であればそれらは「強み」にはなりません。
人材育成も数年後は強みになるかもしれませんが、新規事業ではまだ「強み」とまではなりにくいですね。
ただ、「経営者の人脈」はライバル店舗よりも豊富なので、私は「強み」になると思いましたし、全力で活かすことにしました。
結果、「顧客を経営者に特化した高級飲食店」になったのです。
つまり、経営者が集まる店にしたんですね!
通常の高級飲食店では強みが活きず、他のライバル店に負けてしまう可能性があります。
でも、経営者の人脈が多いという事実を強みに変換することで初めてライバル店に勝てる店になるんです。
別の話で、ライバル企業が在庫を持っていなければ、在庫を持っている時点で「強み」となります。
「在庫」は悪だとよく言われますが、私はそう思いません。
もちろん在庫を持ちすぎて資金繰りが厳しくなるのは避けなければなりませんが、在庫自体が悪だというのではなく、持ち方の問題だと思います。
アパレル企業で例えると、ライバル企業が在庫を持っていなければ、在庫を持っているアパレル企業は、専門店等の顧客から発注があればすぐに出荷できますし、持っていればいるほど売上が上がります。
そして、在庫を強みと変換することで新規開拓の方法や、どこで誰と戦うかも決まってきます。
ただ、売れない商品を抱えていても意味はありませんし、流行が速い商品であればすぐに売れなくなり在庫になってしまうかもしれません。
では、在庫を持たなければいいのでは?と考えますが、そうなるとライバル企業と一緒になり、在庫という強みが消えてしまいます。
なので、流行があまりない商品や在庫を持つ期間を決める、最後の在庫販売先を確保しておく等は用意しておかなければなりません。
*強み等、マーケティングの詳細は下記記事でどうぞ!
➡売上UPに必要なマーケティングの6要素とは?お客さんにどう伝え、届けるのか?
このように、「強みの見つけ方」は自社ばかりを見るのではなく、他社、しかも身近な店や会社と比較して、少しでも勝てることを見つければいいんですね!
今回は、強みは会社に存在するのではなく、○○という事実を強みに変換することが大事だという話でした。
これは何も会社だけの話ではなく自分自身にも当てはまります。
例えば、「ネガティブ」は弱みと思われるかもしれませんが、自分はネガティブだという事実があるだけです。
それを、「注意深く慎重に行動できること」や「最悪の未来を想定した進め方ができる」という強みに変換すればいいだけなんですね!
今回の記事が少しでも参考になれば嬉しいです!












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