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経済産業大臣登録 中小企業診断士
船越ビジネスコンサルティング代表
船越です。
会社員で起業したいと考えているあなたは、何をしようか迷っているのではないでしょうか?
- 起業はリスクが高い
- 失敗したら取り返しがつかない
上記の理由で立ち止まっていませんか?
また、起業で何をすべきか悩むのは当然ですよね。
「やりたいこと、好きなことはあるが、本当にそれで起業していいのか?」
と考えている方もおられるかもしれません。
ということで、今回は、会社員であるあなたが起業する方法、について解説していきます。
この記事を読めば、
- やりたいことや好きなことで起業していいのか
- 会社員が起業でリスクを回避する方法
- 何のビジネスで起業すべきなのか
以上が分かる内容となっていますので、ご参考にしていただければ幸いです。
やりたいことで起業していいのか
世間では、
「やりたいことで起業しなさい」
「好きなことでビジネスを始めなさい」
上記の風潮がSNSや雑誌では主流となっております。
果たして本当にそうなのでしょうか?
私は過去の記事で、
「やりたいことで起業しない」
ということを何回か投稿しております。
なぜかと言いますと、会社を辞めて起業するからには、
「絶対に失敗は許されない」
失敗して、借金を背負ったまま地獄の人生を送っている人や、家族と離れ身をひそめる、最悪、自殺をしてしまう。
私が中小企業診断士として、こういった人を実際に見てきました。
もちろん、ビジネスが失敗しても軽症の人もいますが、やはり何らかの痛手は被りますし、こういった失敗談が、起業することをためらう原因になっているのですね。
なので、会社を辞めての起業は失敗するわけにはいきません。絶対に。
そんな状況で、”やりたいこと” や “好きなこと” で起業にこだわっている場合ではないはずです。
成功とまではいかなくても、とりあえず稼がなければ、すぐにジ・エンドとなってしまいます。
では、会社を辞めて起業するには “やりたいこと” や “好きなこと” よりも重要なことは何でしょうか?
起業して絶対に失敗しないために最も重要なことは、「勝てるマーケット」をみつけること。
つまり、たとえやりたいことであっても、負けるマーケットで勝負してはいけないということです。
なぜなら、すぐにうまくいく人との違いは必ずしも、生まれ持った才能、または能力の違いではないからなんですね。
能力のある人が長い間頑張っても失敗する、逆に軽い気持ちで週末に立ち上げた事業が半年で成功するといった話は多いです。
実際は自分がやりたいことや好きなことでうまくいった人もいますが、そういう方は少なく、また時間がかかってしまうことが多い。
その違いは何かと言いますと、勝てるマーケットで起業したかどうかです。
なので、やりたいことや好きなことで起業した人がうまくいった場合、勝てるマーケットだったことが多いんですね。
例えば、”卓球” です。
「卓球ってそんなにマーケットが大きいの!?」
とびっくりされるかもしれませんが、Googleのキーワードプランナーで調べてみてください。
実はとても大きなマーケットであることが分かるでしょう。また、競争も激しくありません。
つまり、やりたいことや好きなことが卓球である人が、マーケットのことを知らず、たまたま何らかの卓球ビジネスを行って成功した。といったことが現実にありうるのです。
これがラーメン屋や英会話ビジネスではどうでしょうか?
想像できるとは思いますし、巨大なマーケットであることもご存知でしょう。
ただ、競争が激しすぎるため、たまたま成功することも難しいのです。
マーケットのことは下記の記事に記載されているので、詳細はこちらをご確認ください。
【関連記事】やりたいことで起業しない!失敗しないためにはマーケットと強みが重要な理由
やりたいことで起業する!
先ほどは、会社を辞めて起業する場合、「やりたいことで起業しない」と言いました。
でも、会社員をしながらの起業であれば、私は、「やりたいことでビジネスをしてください」と言います。
あれ?
「それでは矛盾しているのではないか!」
と怒られそうですが、両者はかなり違います。
その違いはと言うと、“会社を辞めての起業” か “会社にいながらの起業” かです。
会社を辞めての起業の場合、収入が0になるため、仕事を選んでる場合ではありません。
つまり、やりたいこと好きなことより収入を得ることが重要となるのです。
ただ、会社員の場合は違いますよね。元々の収入はあるので、やりたいこと好きなことをすべきなのです。
考えてみれば分かると思いますが、本業の仕事をしながら、もう一つのビジネスを行うわけですから、やりたくないことをビジネスにする必要がない。
ただ、本業で生活が成り立たない、切羽詰まった状態の人は別です。
生活をするためには、やりたくないことをする必要もあるでしょう。
そういった切羽詰まった状態の人は除いて、会社員のまま起業する場合は、「絶対にやりたいことで起業する」べきなのです。
なぜなのか?
- やりたいことでないと続かない
- お金だけでは続かない
- 独自資産が蓄積される
以上が理由ですが、次から説明していきます。
◆やりたいこと、好きなことでないと続かない
会社員の状態で起業することは、先ほども言いましたが、本業とは別にもう一つの仕事がある状態です。
このことが何を表すかと言いますと、単純に “しんどい” 状態になるということですね。
なので、やりたいことや好きなことでないと、”絶対に” 挫折すること間違いなし。
例えば、資格の勉強です。
私は中小企業診断士という資格を持っていますが、1年半で2000時間以上勉強しました。
正直、ここまでの時間、仕事をしながら勉強できる人は少ないと思います。我ながら、凄いなと思ってますし、今では絶対に無理です。(笑)
周りには途中で挫折する人もいました。
でも、私はなぜここまで必死に勉強できたかというと、「中小企業診断士になって、コンサルタントの仕事をしたかったから」です。
つまり、コンサルタントの仕事がやりたかったのであり、そのためには中小企業診断士が必要だと判断したから。(実際は中小企業診断士の資格がなくてもコンサルタントの仕事はできますが。。)
このやりたい欲求が強かったからこそ、勉強自体は興味深い内容でしたが、つらい時もありました。
しかし、やりたいことが先にあったので、乗り越えることができました。
また、英語もそうですね。
結果的にはあまり上達しなかったものの、何年もやり続けました。
中国語もやった時期があったのですが、実際はやりたいこと、好きなことではなかったため、すぐに挫折して辞めました。
つまり、嫌なこと、嫌なことまでいかなくても、好きでないことは続きません。
本業ならまだ我慢して続けられる(続けるしかない)かもしれませんが、本業以外となれば、絶対に続かないのです。
なので、仕事で疲れても、面倒くさくなっても、続けることができることをビジネスにする必要があります。
◆お金だけでは続かない
仕事をしながら別のビジネスを始める理由として、
「お金を稼ぎたいから」
というものもあると思います。
ただ、その場合も続かない、成功しないことが多いです。
1つ目の失敗の理由は、「目的が曖昧」だからです。
例えば、「なんとなくお金が増えればいいなー」みたいな感じだと、必ず途中で辞めます。
なんせ、仕事で疲れた後にもう一仕事するわけなので、何日かたてば、
「こんなにしんどいんだったらやめよ」
「日々の食費を削ればいいや」
みたいに言い訳を探して、辞めてしまう人が大半なのです。
これは、禁煙やダイエットと似ていますね。
つまり、今の生活を変えてまではやりたくないのです。苦労したくないんです。
このことは後ほど、詳細を解説しますが、実はそこまで強く望んでいないので、結局辞めてしまうことになります。
そして、もう1つの失敗理由は、「お金を稼いでしまえば目的はなくなってしまう」ことです。
ビジネスを始める理由が、お金を稼いで、趣味にお金を使いたい、旅行に行きたい、といったものの場合。
お金を稼ぐことは大切です。
ただ、お金だけでは、稼いで旅行三昧、趣味三昧、の後はどうなるでしょうか?
その後は、何をしたらいいのか分からなくなってしまいます。
私の周りにも稼いだ後、することがなくて途方に暮れている、廃人みたいになっている人がいるんです。
私はその人を見て、稼げてなかった時のほうが輝いていたし、やる気に満ちて人生が楽しそうだったのを思い出します。
正直、稼げている人は羨ましいと思いますよね?
ただ、稼いで贅沢するだけが目的の人は、達成してしまえば、その後は空虚な人生が待っているのです。
空虚な人生にしないためには、ビジネスの本質を知ることが大切になります。詳細については下記の記事をご参考にしてください。
【参考記事】ビジネスがうまくいく法則とは?〇〇を知っているかどうかが重要!
◆自分の独自資産が蓄積される
自分の独自資産とは何かと言いますと、ノウハウや経験、人脈、顧客リスト等が挙げられます。
やりたいことや好きなことでないと継続が難しいと前述しましたが、つまり、継続できなければ独自資産は当然蓄積されません。
また、好きでないことでビジネスを始めると、稼げるようになれば、当然好きなことをしたくなるでしょう。
例えば、経験があるだけでやりたくもなかったアパレルの仕事から、本当にしたかったラーメンの仕事です。
ここまで、極端に違うことはないかもしれませんが、例として挙げます。
アパレルからラーメン。
確かに、人脈やマネジメント経験等はアパレルでの経験が活かせられるかもしれませんが、活かせられないことも多いでしょう。
これではせっかくアパレルで得た独自資産がもったいないですよね。
つまり、まわりくどく好きでもないビジネスから始めないで、最初からラーメンの仕事をしていれば、ノウハウや経験が溜まりやすいし、すべてがそのままそっくり独自資産となるということです。
また、好きなことなので、つらい時も我慢して継続できる可能性が高くなるでしょう。
なので、会社員のまま起業する場合、最初からやりたいこと、好きなことでビジネスを始めるべきなのです。
会社員が起業でリスクを回避する方法
ここまで、2つのことを解説しました。
- 会社員を辞めて起業する
- 会社員のまま起業する
もちろんどちらが正解かは分かりませんが、冒頭でもお伝えしました、
- 起業はリスクが高い
- 失敗したら取り返しがつかない
といった不安があるのであれば、
「会社員のまま起業する」
こちらのほうがリスクを抑えられると共に、やりたいこと好きなことでビジネスができます。
前述しましたが、なぜ、会社員のままであれば、やりたいことや好きなことをビジネスにできるかと言いますと、
「本業での収入があるから」です。
会社員を辞めての起業では、この大事な部分がありません。(起業前にすでに発注等をもらっている場合は別)
もし、会社を辞めて起業しても絶対に成功する自信がある人は、それもいいでしょう。
しかし、私は起業の相談をよく受けますが、少しでも心配な人には、迷わず、「会社員のまま起業」することをおすすめしています。
どんなビジネスで起業すべきか
では、会社員であるあなたが、会社にいながらどんなビジネスを始めるべきなのでしょうか?
答えは、“やりたいこと、好きなこと” なおかつ “得意なこと” と “マーケットを意識する” ことです。
やりたいこと、好きなことの理由は前述しました。
プラスで必要となってくるのが、得意なこと=あなたの強み です。
例えば、あなたが営業が得意としましょう。
であれば、あなたの強みである「営業」を活かさないと他者と差別化できません。
“営業” が得意であるあなたが、苦手である “企画” で勝負しても、企画が得意(強み)である人間に簡単に勝つことは難しいでしょう。
であれば、得意分野で勝負するのが当然ですし、しかも、得意であれば、営業経験やノウハウがすでにあるはず。
この、すでに持っている、「あなた独自の営業経験、ノウハウ」をビジネスにすべきなのです。
そして、「マーケット」も意識する必要があります。
やりたいこと・好きなことでビジネスをすることをお勧めしますが、いくらなんでもレッドオーシャンすぎる場所で戦っても勝てる見込みは少ないでしょう。
例えば、何回もでているラーメン屋。
経験もないのに、ラーメンが好きという情熱だけでは、勝つことは難しいです。
では、やりたいことである、ラーメン屋は諦めるべきなのでしょうか?
ここでのポイントは “マーケットをずらす” “コアな部分に踏み込む” ことです。
つまり、ラーメン屋で勝負するのではなく、前述した営業が強い人の場合は、
「ラーメンという好きな分野で、営業というあなたの強みを活かしたビジネスをする」
このことが重要なことになります。
ラーメン × 営業
という2つのキーワードを入れてビジネスを考えれば、ただ単なるラーメン屋をするより競合は減りますし、でも、ラーメンという非常にでかい分野なので需要はあるでしょう。
つまり、あなたが行うべきビジネスは、
- やりたいこと好きなこと
- 自分の強みが活きるマーケット
上記のことを意識してビジネスアイデアとビジネスモデルを構築していく必要があります。
ラーメン × 営業
このような「ビジネスアイデア発想」と「ビジネスモデル構築」にかんしては、下記の記事もご参考にしてください。
【参考記事】ビジネスプロセスの改善?社長、その前にやることがありますよ!
最後に
いかがでしたでしょうか。
今回は、起業に対して不安やリスクを感じている会社員の方が、リスクなしに起業するには、
「会社員のまま起業する」
ことを解説していきました。
なぜかと言いますと、
- 本業があるから収入に困らない
- 本業があるため、やりたいことや好きなことをビジネスにできる
上記の理由からでした。
そして、会社員の方が起業する場合、やりたいことや好きなこと以外に、
- あなたの強みを活かすこと
- マーケットをずらす
ことが必要とも言いました。
しかし、会社員とは言え、起業すればあなたは個人事業主です。
つまり、立派な経営者ですね。
なので、経営者だという気持ちをしっかり持って、やりたいことや好きなことをビジネスにして成功させましょう!
【関連記事】経営者とは?孤独で悩みが多い社長が絶対にやってはいけないこと
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