起業したいけどお金がない人が、絶対にやってはいけないことは何か?

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経済産業大臣登録:中小企業診断士
船越ビジネスコンサルティング代表

船越です。

 

 

「起業したいけど、お金がない。。」

 

そう悩んでいる人は多いのではないでしょうか?

 

中小企業診断士として起業相談を受ける場合、お金の相談が多いです。

そして相談内容を聞いていると、たいていの方は、起業、独立にはお金がかかるイメージを持っておられます。

 

本当に起業するには多くのお金が必要なのでしょうか?

 

実際にはそんなことはありません。

お金がなくても起業はできます。

 

もちろんお金があった方が良いのは確かですが、なくても何とかなります。

 

しかし、お金はなくても、絶対にやってはいけないことがあります。

それは何でしょうか?

 

「勝てないマーケットで起業しない」

 

これが私の持論です。

なぜ、勝てない市場で起業してはいけないのか?

これは、” お金がないからこそ ” 気を付けなければならないことなのです。

 

ということで今回は、

 

  • お金がなくても起業する方法
  • お金はなくても絶対にやってはいけないこと
  • 起業で失敗する人の特徴
  • 起業アイデア・ネタの見つけ方
  • お金がない場合のおすすめ方法

 

以上を、実際のご相談内容や私の経験、様々なビジネスモデルを交えて解説していきます。

 

起業したい方だけではなく、新事業を考えている社長や幹部の方にも参考になると思いますので、このままお読みいただければと思います。

 

 

お金がない人でも起業できる!

 

以前は株式会社を設立するのに最低でも1,000万円の資本金が必要でしたが、今では資本金1円でも株式会社の設立が可能になりました。

また、個人事業主がからスタートすることもできます。

 

個人事業主であればお金はかからないですし、開業届を出すだけなんで、気軽に起業できるのが利点です。

私も個人事業主ではありますが、当時は意外とあっさり起業できるんだなと思いました。

 

お金がないという人は、逆の発想をすることが大切です。

お金がないのは事実であり、いくら悩んでも、急にお金が降って湧いてくるわけがないからです。

 

  • お金がないということはリスクが少ないために起業しやすい
  • お金がないので、深く考え知恵を絞るようになる
  • 資金がないため、お金のことに敏感になり、赤字になりそうなときは素早く対応するようになる

 

無いなら、無いなりに工夫が必要ですし、そもそも、こういった逆の発想をしないと、たぶん起業できないですよね。(笑)

 

それに今の時代、お金をかけずにとも円でネットショップやネットビジネスで起業し、成功している人は多いです。

 

私の周りでも実際にいますが、ある方は地方で珍しい商品を見つけ、ブログで紹介することで在庫を持つ必要なく販売すして儲けてる人もいます。

交渉次第でこういったことも可能なんですね。

 

なので、お金をかけないとビジネスができないという考えはもう昔の話で、今は考えや工夫次第でより良い商品(サービス)を提供することが可能です。

 

ただ、資金は必要ありませんが、

「あなたはなぜ起業したいのでしょうか?」

 

起業目的は明確にしておく必要があります。

 

 

 

お金がないけど、なぜ起業したいのか?

 

あなたは、なぜ起業をしたいのか、明確になっていますか?

 

意外とここが曖昧な人が多いんですね。

何となくみたいな。。

 

中には、失業して仕方なくという人もいると思いますが、それでも考えてください。

 

なぜなら、その考えが あなたの、‟事業のコンセプト” となるからなんです。

 

何も難しく考える必要はありません。

例えば、「アパレル業界を盛り上げる!」とか「運送業をあこがれの職業にする!」でもいいと思います。

 

ただ、「家族を幸せにするため」はいいですが、「お金を稼ぐため」はダメです。

お金を稼ぐことは手段であって、目的ではないのです。

 

例えば、

 

大阪で社会貢献をしたい!

そのためにはお金を稼ぐ必要がある

でもサラリーマンでは無理

だから起業する

 

かなり、強引な流れにしましたが、簡単に言えば、大阪で社会貢献したいから起業する。

そして、お金を稼ぐことは社会貢献するための手段であるということなんです。

 

「家族を幸せにする」でもいいでしょう。

ただ、‟家族を幸せにすることが目的” であれば、無理に起業する必要はありません。

 

しかし、「家族を幸せにする」をもう少し細かくすることで、やり方が変わってきます。

「贅沢をさせることで家族を幸せにする」のであれば、お金は必要ですが、「一緒に過ごす時間を増やし、家族を幸せにする」のであれば、起業ではなく、給料は安いけど全く残業がない職場に転職すればいいでしょう。

 

このように、起業したい理由は、少しでも細かい方がいいです。

ただ、最初は大まかでもかまいません。

 

まずは考えることが大切ですので、難しいようであれば細かく考えすぎないようにしましょう。

考えすぎて動けなくなったら意味がないですよね。

 

 

そして次に考えることは、どうやって起業するのか。

いわゆる「5WH」てやつです。

 

WHとは、「いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」です。

 

それに加えて、結果どうなるかを考える。

このことを是非とも意識してください。

 

  • いつ起業するのか
  • どこでビジネスを行うのか
  • 誰と行うのか、誰が行うのか
  • 起業して何をするのか
  • なぜそれをするのか
  • どうやってやるのか
  • 起業して自分は幸せになれるのか
  • 周りは幸せになるのか

 

上記のことをしっかり考え計画に落とし込むことで、起業する方法が漏れなく列挙され、自分の考えが具体化されすっきりします。

 

ここに数字を加えることで、事業計画が完成します。

難しいと思われるかもしれませんが、事業計画はたてた方がいいですね。

 

計画を立てることで、具体的なアクションプランに繋がりますし、銀行から融資してもらうときにも事業計画は必要なので、いざ資金が必要になったときにも役立ちます。

 

事業計画についてはこちらの記事もご参考にしてください。

 

【参考記事】事業計画とは何か?事業計画の必要性、メリットとデメリットは?

 

 

起業したいけど、お金がない人がやってはいけないこと

 

自己実現の起業はいいですが、具体的な目標のためではなく、単に「会社生活が嫌だから」といった、ただの逃げ道としての起業はよくありません。

なぜなら、逃げ道の自己実現で起業した人は、また逃げ道を作ってしまう可能性があるからです。

 

起業すれば、会社の代表として逃げ道はなくなります。

つまり、相当な覚悟が必要だということです。

 

なので、「覚悟」のない起業、特に会社設立(法人化)はやめておきましょう。

 

そして、起業する人が決してやってはいけないことは、

 

  • 夢を叶えたい
  • やりたいことをしたい

 

こういった理由だけで起業することです。

 

あなたはこれを聞いてどう思うでしょうか?

 

正直、

「なぜ夢を叶えたいことで起業したらダメなの?」

「やりたいことがあるから起業するんじゃないの?」

といった疑問が出てくると思います。

 

ただ、私は決してやりたいことで起業するなと言っているわけではありません。

 

巷では、夢や、やりたいことで起業するのがセオリーとなっておりますが、各種データによれば、起業して10年後に生き残っているのは、「たったの5%」です。

多いと思うか少ないと思うか、それは個人個人で違うとは思いますが、私は少ないと率直に思いました。

 

生き残れる可能性が5%、ましてや、お金があまりない状態で、やりたいことを優先している場合ではないですよね。

 

夢、やりたいことで起業して生き残れるのであれば、私は何も言いません。

ただ、そうではないのが現実です。

 

経営は継続できなければ意味がありません。

生き残ってはじめて、夢を叶えることができるのです。

 

では、どうすれば生き残ることが可能なのでしょうか?

 

継続するための要素をこれから解説していきます。

 

 

やりたいことではなく、勝てるマーケットで戦う

 

前述しましたが、巷では、やりたいことで起業するのがセオリーとなっております。

 

しかし、起業で絶対に失敗しないために重要なことは、

勝てない市場ではなく、「勝てるマーケット」をみつけること。

 

つまり、たとえ夢であったりやりたいことであっても、勝てないマーケットで勝負してはいけないということです。

 

すぐにビジネスがうまくいく人との違いは必ずしも、生まれ持った才能、または経験、能力の違いではありません。

能力のある人が長い間頑張っても失敗することはあるし、逆に軽い気持ちで週末に立ち上げた事業が半年で成功するといった話は結構あります。

 

実際は自分の夢で起業してうまくいった人もいますが、そういう方はまれです。

 

後ほど述べる要素を持っていたか、戦略的に行ったか、たまたま運が良かった等。

ただ、うまくいったとしても、時間がかかってしまうことが多いのです。

 

では、その違いは何か?

 

それは「勝てるマーケットで起業したかどうか」と言えます。

 

では、勝てるマーケットとは何か?

次に解説します。

 

勝てるマーケットとは何か?

 

「勝てるマーケット」

 

それは、「顧客が欲しいと言っているのに、欲しいものが提供されていないマーケット」のことです。

 

つまり、顧客ニーズがあるのに競争が少ないマーケットを指します。

 

これは当たり前の話ですが、マーケットを意識している人は少ないんですね。

実際は周りを見ても分かりますが、マーケットや競合を無視して、自分の夢や、やりたいということだけで起業している人が多くないでしょうか。

 

例えば、英会話、喫茶店、ラーメン屋等。。

 

この中で飲食店は特にゼロから開業する場合、大規模な投資に加え、粗利率が低いため、よほどのノウハウを持った人でない限り、勝ち続けるのが困難な業界です。

 

このマーケットで勝てる自信がありますか?

 

正直難しいと思います。

ましてや、未経験者なら尚更です。

 

でも、好きという理由だけで、この「レッドオーシャン」に自ら飛び込んでしまう人が絶えません。

 

好きなことより、そのマーケットでより確率高く勝ち続けていくためには、どんな方法、どんなアイデアで起業すれば失敗しないかを考えることが重要です。

 

では次に、マーケット以外に大切なもう一つの要素を解説していきますね。

 

 

「強み」を持ってますか?

 

先ほどはマーケットの話をしました。

 

その場面では、やりたいことで起業しないことが重要なのかを説明しましたが、やはり、夢であったり、好きなこと、やりたいことで起業するのが理想ではあります。

 

しかし、知識も経験もなく、例えば

「未経験だが、ラーメン屋をやりたい。情熱もあるし、死ぬ気でやる!」

と知人が言った場合どう助言するでしょうか?

 

ラーメン屋はレッドオーシャンに加え、周りは有名店ばかり。

正直、私は「やめた方がいい」と言いますし、普通のやり方では間違いなく失敗するでしょう。

 

そこで、「強み」が必要になります。

 

強みとは、競合に対しての強みであり、競合に勝っていることです。

コンサル場面では、SWOT分析でよく使いますが、そこまで大げさに分析しなくてもいいと思います。

 

強みさえ探し出せばいいでしょう。

 

 

例えば、あの店、あの会社より安い、質が良い、接客が良い等。

 

ポイントは、‟競合より”です。

ただ単に、自分だけがそう思っていても、競合が同じような値段や品質であれば、それは強みになりません。

普通になります。

 

ただ、勝てるマーケットを見つけても、自分の「強み」を活かせなければ意味がありません。

両方そろわないと勝つことが難しくなります。

 

勝てるマーケット × 強み

 

両方がそろったビジネスは難しいかもしれませんが、もちろん簡単にいくのであれば、誰でも成功していると思います。

でも、それを乗り越えることができる人は、その勝てるマーケットで本当に勝つことができます。

 

ただ、実際には、この両方を意識して起業したり、ビジネスをしている人は残念ながら多くありません。

どちらかと言うとマーケットだけを意識されている場合が多々あります。

 

そのマーケットで勝てる強みを意識していない、保有していないんですね。

 

なので、勝てるマーケットを選択しているにもかかわらず敗北する人が出てくるのです。

 

 

強みがない場合はどうする?

 

では、勝てるマーケットを選んでいるのに、この「強み」がない場合にはどうなるでしょう?

 

商品の場合、商品が不十分なまま販売をすることになります。

ただ、売り方が上手であれば、そのような商品でもどんどん売りまくっていくことでしょう。

 

しかし、そのような事業が長く続くはずがありません。

なぜなら、そもそもの商品自体が不十分なので、最初は売れたとしても、お客さんの満足感は満たされず、次に購入することがなくなるからです。

 

飲食店で例えると、あまり美味しくない(強みがない)店が、あまり周囲に店がない場所(勝てるマーケット)で出店したとします。

最初はもの珍しさで来店するかもしれませんが、美味しくはないので、リピートする人は少なくなり経営が苦しくなる状態です。

 

つまり、たくみなプロモーションでマーケットを刺激しても、強みを活かした商品やサービスが提供できなければ、長期的には悲惨な結果に陥ってしまいます。

そして事業が長く続かないため、新しい商品(サービス)に手を出したとしても、そこに強みが活かされていない場合には同じ結果になりがちなので注意が必要です。

 

以上となります。

 

繰り返しになりますが、起業や新ビジネスを行う場合、

 

  • 夢を叶えたい
  • やりたいこと(好きなこと)をしたい

 

上記だけで起業はしない方が良いと言いました。そして、

 

  • 会社を継続させること
  • 勝てるマーケットで戦うこと
  • 強みを活かすこと

 

上記が重要なことを理解していただけたのではないでしょうか。

さらに必要な要素を挙げるとキリがありませんので、まずは上記3つを意識してもらえれば良いと思います。

 

ご存知の方もおられると思いますが、今までの話はマーケティングです。

 

マーケティングはかなり重要なんですね。

私は中小企業診断士として、最近、マーケティングの重要性を話す機会も多くなってきました。

 

なぜマーケティングが重要なのかは少し長くなりますので、マーケットや強みを理解していただいた後に、下記の記事を読んでいただければと思います。

さらに理解が深まりますので、是非ご参考にしてください。

 

経営者に必要なマーケティング戦略と重要な考え方とは?

 

 

また、経営者として何が必要なのかも重要となりますので、こちらも下記の記事をご覧ください。

 

【関連記事】経営者とは?孤独で悩みが多い社長が絶対にやってはいけないこと

 

 

相談者の具体例

 

実際に私のもとにも、起業したいけど金がないという相談者がよく来られます。

先日も「夢を叶えるために起業したい」という方が来られました。

 

夢を叶える起業は特に大企業出身の方によく見られます。

大企業という看板があると中小企業では経験できない、金額が大きい仕事ができるため、無意識的に、大きな仕事をしているから自分は優秀な人材だと思い込んでいるケースが多いんですね。

 

以前、シャープを追い出された中年社員たちが再就職できずに困っているニュースがありましたが、彼らなんかはその典型的な例でしょう。

また、大企業にいれば、人脈もあるので起業すれば成功するだろうという妄想も抱きがちです。

 

しかし、残念ながら、それは会社の看板のおかげだという方が結構おられます。

 

例えば、大企業であれば、新規先で会社名を出せば、話ぐらい聞いてくれる会社も多いでしょうし、知名度で寄ってくる会社もいっぱいあるはずです。

こで勘違いしてしまうんですよね。

 

少し前にも、私は大企業の方の起業相談に乗りました。

 

その時の相談内容はこちらの記事をご覧ください。

 

【関連記事】起業したい!でも、このビジネスアイデアでいいの? ~大手企業勤務編~

 

 

しかし実際には、起業や独立で成功するのは、どちらかといえば大企業よりもむしろ、ベンチャーや中小企業で活躍している人の方が多い気がします。

なぜなら、大企業の方は仕事が細分化されていないため、あまり多くの作業に慣れていないからです。

 

私は、一部上場企業から10名以下の会社まで経験しており、その辺はよく分かっているつもりです。

中小企業にいると、コピー取りからファイルのシール貼りまで、全部する必要があります。

もちろんお茶くみもしますし、電話番もしますし、とりあえず何でもありなのが中小企業なんですよね。

 

そこで私は営業をやっておりましたが、”営業だけが仕事” なんかありえません。

企画もやりましたし、生産、人がいなければビラ配り、経理が休めば簡単な経理、債権回収の取り立てまでやってました。

 

そして新規先に行けば、無名なので、クソ扱いされますし、もちろん相手から問い合わせてくることもありません。

小さい会社の人は普段からそういう環境でやっているので、営業はもちろん、精神的にも強くなります。

 

起業したての状況では何でも貪欲にやる必要があり、やならなければなりません。

なので、それに慣れている中小企業出身者の方が有利なのは間違いないでしょう。

 

「大手企業出身者には人脈があるではないか!」

 

と思われる方もいると思いますが、確かに最初はあります。

 

ただ、その人脈は本物でしょうか?

 

よくある話が定年退職したら、部下は誰も家に来なくなったという話はドラマでもよくある話です。

しかも、その人脈だけに頼っているとえらいことになります。

 

決して人脈が大切ではないと言っているわけではありません。

むしろ、非常に大切なことです。ただ、そればかりに頼っていてはいけませんし、頼ってばかりで新たな人脈を構築しなければ、いつかはその人脈は終わってしまいます。

 

また、決して大企業出身者がダメというわけではありません。

上記の理由から中小企業出身者の方が少し有利だということです。

 

ただ、大企業出身者には退職金も大きいでしょうし、中小企業出身者にはできない要素を活用して起業するのがいいのかもしれませんね。

 

 

起業で失敗しやすい人の特徴

 

起業で成功するのは難しいのが現実です。

前述しましたが、10年後に生き残っている会社は5%だと言われているからです。

 

では、なぜ起業で失敗してしまうのでしょうか。

失敗の原因は何でしょうか?

 

上記で人脈に頼ってしまう失敗例を挙げましたが、その他に何があるでしょう。

 

  1. 資金繰りが苦手な人
  2. 逆転発想的志向の人
  3. 堂々巡りの人
  4. 放射型の人

 

失敗する人の特徴は、以上の4つですが、1つずつ説明していきますね。

 

 

1.資金繰りが苦手な人

 

多くの人は開業資金ではなく、運転資金運用で失敗する例が多いのです。

運転資金とは、経営を行うにあたって必要な資金のこと)

 

よく勘違いされるのは、「決算書さえ見ておけば、お金の面は大丈夫!」と思っていること。

 

これは本当でしょうか?

 

私は財務が得意な経営コンサル会社にも所属しており、毎日決算書を見ているのでよく分かるのですが、決算書は過去の成績であり、未来のことは語ってくれないのです。

 

そして、決算書の中で一番重要なのは、”現金預金” です。

現金がなくなった時点でゲームオーバーとなります。

 

なので、決算書を詳細に読める必要はありませんが、とりあえず資金繰りをしっかりするようにしてください。

大事なのは、未来のキャッシュフロー計算書であり、資金繰り表なのです。

 

中小企業診断士として、ご相談があった実際の話です。

ある会社は決算書をしっかり作って、社長自身はそれを見ながらも借入をして設備投資を行っておりました。

 

しかし、資金が足りない、なぜか分からない。

 

理由は、毎月の試算表と資金繰り表を作成していないため、月々の現金の流れを把握していなかったのです。

借入過多で毎月の返済額も大きく、結果、資金がショートしていたのでした。

 

決算書では現金の流れは分かりません。

分かることはその決算書が出来た時点での単なる残高だけなのです。

 

毎月の試算表も結果ですが、1年と1カ月とでは、期間が全然違いますし、1カ月ならまだ対処できます。

ここに資金繰り表が加われば、早急の対処が可能になるでしょう。

 

たとえ、1年間で利益が出ていても、毎月の支払い、借入金の月々返済額を見ていなければ、最悪、資金ショートして倒産してしまいます。

なので、月々の試算表と資金繰り表を作成し、黒字倒産(勘定合って銭足らず)状態になるのは避けましょう。

 

黒字倒産を避けるためには、現金が必要だと言いました。

 

不測の事態を避けるためにも、いざとなったときに

「どれくらい資金調達が可能なのか?」

を知っておくことは安心材料となるでしょう。

 

資金調達可能額は各金融機関、特に日本政策金融公庫に相談するのが良いと思います。

 

金融機関への相談の仕方が分からないのであれば、コンサル会社に頼っても良いかもしれません。

実際、私がコンサル会社にいたときにはそういった相談が多かったです。

 

また、資金繰りに関しては下記記事もご参考にしてください。

 

【関連記事】決算書より大切な資金繰りとは?

 

 

2.逆転発想志向の人も要注意

 

経営は継続してなんぼであります。

 

経営で一番大切なのは高売上、高利益ではなく、倒産しないことです。

極端に言えば、利益がなくても経営し続ければ問題なし。(もちろん、脱税等はなしで)

 

経営する難しさはデータでも出ています。

起業して10年後に生き残っている会社はたった5%しかないという残酷な現実があるんですね。

なので、一発逆転を狙う人は要注意です。

 

一発逆転ビジネスは基本的にコストがかかったり、ハイリスクハイリターンですよね。もしローリスクローリターンであれば、逆転はできません。

 

経営は継続してこそであり、たとえ運よく逆転できたとしても、マグレの場合が多いので、何のノウハウも蓄積されておらず、また苦境に立たされる可能性があります。

確かに、何でもやってみないと分からないでしょうが、一発逆転のハイリスクハイリターン商売ではなく、小さい商売を積み重ねて、ノウハウも蓄積していきましょう。

 

 

3.堂々巡りタイプ

 

良いアイデアが浮かぶが誰かから難しいと言われ落ち込む、そんなことを繰り返しているうちに数年が経ってしまうパターンです。

 

こういった堂々巡りタイプは難しいです。。

理由は下記の記事をご確認いただければと思います。

 

【参考記事】起業で失敗する3つのパターンとは? 堂々巡りタイプがとても危険な理由

 

 

4.放射型タイプ

 

切り替えがとても早く、少し手を出してはうまくいかず、また新しい分野にチャンレジするもののうまくいかず、というようにこれを延々と繰り返してしまうタイプも同じく、成功への道のりは遠いです。

これを放射型タイプと言います。

 

詳細は下の記事をご確認いただきたいのですが、このタイプにもならないように気をしましょう。

 

【参考記事】起業で失敗する3つのパターンとは? 放射型タイプがとても危険な理由

 

 

起業アイデア・ネタはどうする?

 

では起業したいと考えた場合、ビジネスアイデアはどこから探したら良いのでしょうか?

 

元々、アイデアがある人はいいのですが、ない人は探すのに苦労するはずです。

 

  • インターネットから
  • 知人・友人から
  • 新聞、雑誌、ニュースから

 

上記のようなとこから探す人もおられると思います。

 

ただ、一番多いのが、ビジネスアイデアを自分の仕事経験から探すことです。

なぜなら、知識、経験があるから、その業界に詳しいから等です。

経験があるからイメージしやすく、当然と言えば当然ですよね。

 

この場合、自分が主体で考えてしまうため、ありきたりな起業アイデア、新事業ビジネスになってしまう可能性があります。

そのため、勝てるマーケットなのかが不安になるかもしれませんし、そもそも、勝てるマーケットが何かも分からないかもしれませんね。

 

そこで、ありきたりでない起業アイデア、新事業ビジネスを発想する方法、勝てるマーケットなのかどうか調べる方法を1つお教えします。

 

 

Googleのキーワードプランナーを使う

 

思い浮かんだビジネスアイデアは勝てるマーケットなのか、強い競合がいるのかを調べるうえでおススメなのは、Googleのキーワードプランナーでボリュームを見ることです。

 

Googleのキーワードプランナーとは、検索ネットワークにおける広告掲載に役立つツールで、キーワードの候補やトラフィックの予測データを確認できます。

ユーザーが特定のキーワードを検索した回数や、そのキーワードの競合性など、過去のデータを確認できるものです。

 

使い方を説明すると、まずは、

 

①Googleアカウントを作成します。

 

②次に、Adwords管理画面にログインするために下記URLより、メールとパスワードを入力してください。

https://adwords.google.co.jp

 

③ログインが完了したら、Adwords管理画面の上部メニューの「ツールと分析」にカーソルを合わせます。

 

④そうするとサブメニューが表示されますので、その中にある「キーワードプランナー」をクリックします。

そして、⑤「新しいキーワードと広告グループの候補を検索」をクリックしてください。

 

⑥キーワードを入力して、「候補を取得」をクリックします。

「起業 アイデア」のような複合語での調査を行う場合には、単語と単語の間にスペースを入れるようにしましょう。

 

⑦入力したキーワードに関連深いキーワードをチェックしてください。

はじめに表示される画面では、関連キーワードが30個まで表示されます。

 

⑧次に月間平均検索ボリュームを見てください。(月間平均検索ボリュームとは、そのキーワードの過去12ヶ月の検索総数を1ヶ月あたりの平均にしたものです。)

このボリュームが高いほど、ニーズがあることを意味します。

 

⑨推奨入札単価は、Adwords広告を利用する際、そのキーワードのクリック単価の基準値を表したものです。

原則として競合性が高いキーワードほど推奨入札単価の値も大きくなります。

 

⑩簡単に言えば、ボリュームが多くて、推奨入札単価が低いものが、起業アイデアとしておススメということになります。

理由はニーズがあるけど、競合が少ないマーケットだからです。

 

また、キーワードプランナーで関連キーワードを探すこともできます。

ありきたりなキーワードから関連した珍しいキーワードが見つかる可能性もあるので、色々と検索してみてください。

 

それでもキーワードプランナーで、どうやったら競合性が低いキーワードが検索できるか分からない、また、「やっぱり起業アイデアが浮かばない」人は下記からご相談ください。

 

ご相談はこちらからどうぞ

 

 

お金がないなら週末起業・副業から始めよう!

 

「でも、お金がないしなー。」

 

そう考えている人、起業したいけどお金がない人におすすめなことは、「週末起業・副業から始めること」です。

 

これは起業相談者にもよく言いますし、先日も実際にそういう相談に乗りました。

こちらの相談者も夢を叶えたい起業でしたが、私は起業することには、やんわり反対しました。

 

理由としては、いきなりの起業はリスクが高いと判断したからです。

下記に関連記事がありますので、併せてお読みいただければと思います。

 

【相談記事】夢であるアパレルショップの開業で起業したい! ~起業相談アパレルショップ編~

 

 

なぜ週末起業・副業をおススメするのかと言いますと、「基本的にはリスクがゼロ」だからです。

 

もちろん、仕事をしているので時間は取られるとは思いますが、それはリスクではありません。

また、たとえ失敗しても大きな損失にはなりません。

 

ただ、「費やした時間がもったいなかった」と思う人もいるかもしれませんね。

でも、その失敗が次のステップになる場合もあるので、決して時間の無駄にもならず経験として活きるはずです。

 

 

そして、もう一つの理由は、お金を貯めてからにしていただきたいからです。

 

これは題名とは前後するかもしれませんね。

もちろん、お金がなくても起業はできますが、やはりお金があるに越したことはありません。

やはり、起業してからも運転資金は必要ですし、広告費や投資をした方が早く軌道に乗れます。

 

しかし、お金を貯める必要があるのは、なんといっても、”心の余裕” を得れることです。

貯えがあれば、最初は苦しくても余裕をもって経営できますよね。

 

なので、起業したいけどお金がない人に、週末起業・副業から始めるのをおススメするわけです。

 

 

実際に起業する場合はどうすればいいのか

 

では実際に、「起業しよう」と思った場合はどうしたらいいのでしょうか?

 

  • まずは個人事業主として開業する
  • 起業資金・運転資金を確保する
  • 補助金を活用する手もある
  • 事業計画をたてる

 

そして、上記の4つに加え、その他に2つ大切なことがあります。

 

 

ビジネスモデルを考えているか?

 

事業計画を作成する前はもちろんのこと、起業する場合にもビジネスモデルが必要です。

なくても起業はできるのですが、行き当たりばったりの事業になってしまいます。

 

なので、起業する前にビジネスモデルは作ってしまいましょう。

事業計画を作成中であれば、事業計画を立てながらでもいいので、ビジネスモデルも作成しましょう。

 

ビジネスモデルと数値がしっかりした事業計画があれば、外部に対しても説得力が増します。

 

特に金融関係に説明する場合、事業計画はもちろん、分かりやすいビジネスモデルが必要です。

ただ、競合に勝てるビジネスモデルでなければ、長期的に事業を継続することが難しいでしょう。

 

なので、ビジネスモデルは重要になります。

 

 

マーケティング知識は重要

 

売上をあげるためには、前述したマーケティング知識も必要となってきます。

マーケティングに関しては長くなりますので、こちらの記事を併せて読むと理解が深まります。

 

経営者に必要なマーケティング戦略と重要な考え方とは?

 

 

 

まとめ

 

 

いかかでしたでしょうか。

 

今は昔と違い、お金がなくとも簡単に起業できる時代なのですが、起業者は少ないのが現実です。

理由は起業はリスクが高いと思われてるせいですが、実はそうではないことを解説し、覚悟を持って起業してくださいとお伝えしました。

 

そして、

  • 夢を叶えたいだけで起業する
  • やりたいこと(好きなこと)という理由で起業する

 

上記は、起業したいけどお金がない人は避けた方が良いことをお伝えしました。

 

まずは、会社の経営を軌道に乗せてから好きなことを行う、もしくはリスクが少ない副業から始める。

 

また、

「なぜ起業をしたいのか」

 

上記をしっかりと考え、失敗するリスクを減少させると共に早く軌道に乗せたいのであれば、自分の強みを活かせる・勝てるマーケットで戦い、ビジネスアイデアを考える必要がります。

 

そして、しっかりとしたビジネスモデルを構築し、両輪であるマーケティングの知識を使えば、競合が少ない戦場で強みを活かした戦いが可能となり、成功する確率がかなり上がります。

 

以上となりますが、今回の記事が少しでも参考になれば嬉しいです。

 

事業再構築補助金とは?補助金申請を通じて事業計画を作成しよう!

 

 

 

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