こんにちは!
中小企業診断士で下町のコトラー、船越です。
相続税って、凄く高いイメージがありませんか?
「遺産の半分以上、税金で取られる!」
「自宅を売却しないと払えない。。」
こんなことを考えている人が結構いたりします。
確かに何億円も資産がある場合、かなり節税対策をしないと相続税は高くなります。
でも、令和3年の国税庁データによると、、
実際に相続税が発生した人の割合は約9%だけ!
なんですね。
意外だと思いませんか?
ほとんどの方は必ず遺産を相続すれば、相続税が発生すると思っています。
実は違うんですね。
たとえ、相続税が発生しても「意外と少ないんですね」と仰る方が多いぐらいです。
相続税には基礎控除があり、
- 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
以上の金額が控除されます。
例えば、亡くなった人の相続人が配偶者(奥さん)と子供2人の場合の法定相続人は3人です。
上記の数式に当てはめると
3,000万円+600万円×3人=4,800万円
基礎控除が4,800万円になります。
つまり、遺産が4,800万円以内であれば、相続税は一切かかりませんし申告も不要です。
これに加えてですが、配偶者(奥さん)には大きな税金の優遇(配偶者の税額軽減)があり、実際に配偶者がもらう遺産のうち、「①1億6千万円」と「②配偶者の法定相続分」のいずれか大きい金額までは、配偶者自身に相続税はかかりません。
例えば、亡くなったご主人の遺産が2億円あり、配偶者と子供2人がいる場合。 配偶者が1億6千万円までの資産をもらうのであれば、配偶者の分の相続税はゼロ(無税)になります。
ただし、注意しなければいけないのは、「子供がもらう分の遺産」には相続税がかかるという点です。
遺産総額が基礎控除(この場合は4,800万円)を超えている場合、いくら奥さんの税金が特例でゼロになるとはいえ、子供たちが受け取る遺産の割合に応じて、子供たち自身は相続税を支払う必要があります。
であれば、子供への課税を避けるために「今回は配偶者に全部(2億円)相続すれば、配偶者の法定相続分(1/2=1億円)より1億6千万円のほうが大きいから、とりあえず奥さんの税金はゼロだしお得なのでは?」 と考えてしまうかもしれませんが、それには注意が必要になります!
なぜなら、配偶者が亡くなった時の二次相続額が高くなる可能性があるからですね。
高くなる理由は配偶者の資産に加え、相続人の数です。
二次相続時の方が相続人が少なくなり、相続税が高くなってしまう可能性があります。
なので、相続税が高くなりそうな方は、どうすればお得になるのかは専門家にご相談することをお勧めします!
税金面だけで見ても、「とりあえず全部配偶者に相続させておけば安心」というのが、いかにキケンかお分かりいただけたかと思います。
でも、、実は、会社の経営者(社長)の方にとっては、税金以上にもっと恐ろしい落とし穴があるんです。
それは、税金ではなく「法律(民法)」の問題。
そう、勘違いされている方も非常に多い「遺留分(いりゅうぶん)」です。
資産の振り分けをどうするかで悩む経営者はとても多いです。
もし遺言書がない場合、相続人全員の同意がないと遺産の割合を決めることができません。
もし折り合いがつかない場合は、家庭裁判所の調停や審判で分け方を決めることになります。
「じゃあ、そんなトラブルを防ぐために、遺言書を書いておけば万全だね!」
と思われるかもしれませんが、ここに大きな罠があります。
「遺言書があったとしても、100%自由に相続割合を決定できるわけではない」ということなんです。
なぜなら、先ほどお話しした「遺留分」という制度が存在するためです。
「遺留分」とは、残された家族の生活を保障するために最低限の金額(財産)は必ず相続できるという、法律で守られた強い権利を指します。
ただ、遺留分はあくまで「権利」です。
例えば、遺言書に「次男には1円も相続させない」と書いてあって、次男自身が「それでいいよ」と納得しているのなら何の問題もありません。
しかし、もし次男が「いや、納得いかない!自分の取り分をちょうだい!」と遺留分を主張(請求)した場合、最低限保証されている金額を渡さなければならなくなります。
では、その遺留分の保証額はいくらなのか?
ざっくり言うと、遺留分は「法定相続分」の半分です。
ここで、一般的な相続人のルール(法定相続分)を一度おさらいしておきます。
夫が亡くなった(夫婦と子供の家族構成)と仮定すると、基本的な目安は次のようになります。
- 子供がいる場合: 奥さんが1/2、子供が1/2(子供が複数なら1/2を人数で割る)
- 子供がいなくて親がいる場合: 奥さんが2/3、親が1/3
- 子供も親もいない場合: 奥さんが3/4、夫の兄弟姉妹が1/4
遺留分はこの半分になりますので、一番多い①のケース(奥さんと子供)の場合、遺留分は奥さんが1/4、子供全体で1/4(子供が2人なら1人あたり1/8)になります。
ただし、「兄弟姉妹」には遺留分がありません。
なので、仮に子供がいないご夫婦で、夫の遺言書に「奥さんに全財産を相続する」と書かれていれば、兄弟から文句を言われることなく、奥さんが全財産をスムーズに相続できます。
ここまでの話を踏まえて、ここからが会社経営者の方が絶対に注意しなければならないポイントです。
もし、社長であるあなたの相続財産が「会社の株」や「会社の不動産」など、会社関連の資産ばかりだったとしたらどうでしょう?
社長が亡くなった後、会社を継がない親族から「遺留分をきっちり払ってください!」と請求されたら、後継者はめちゃくちゃ困りますよね。。
法律上、会社の株や不動産そのものを遺留分として奪い取られることは原則ありませんが、その代わりに「相当する現金」を身内に用意して支払わなければならないのです。
もし、会社の株価や不動産の価値が高く評価されている場合、後継者が個人で何千万円もの現金を払えず、事業承継がいきなりストップしてしまう・・なんて可能性も十分にあります!
だからこそ、経営者は「遺留分を現金で請求されるリスク」を想定して、あらかじめ計画的に準備しておく必要があるんです。
例えば、会社の株や不動産を経営者名義で所有している場合は、元気なうちに会社で買い取って現金化しておく。
もしくは退職金を準備しておき、退職金の一部を相続(遺留分の支払い)のために遺しておく、といった方法が考えられます。
ただ、それで会社の資金繰りがショートしては元も子もありませんから、数年かけて計画的に行うのが大切です。
では、請求される「遺留分そのものを減らす方法」はないのでしょうか?
一般的には、次のような4つのアプローチがあります。
- 遺留分を生前放棄してもらう
- 生前贈与で遺産を減らす
- 養子縁組で法定相続人を増やす
- 生命保険を活用する
「1」の生前放棄ですが、身内が素直に応じるくらいなら、そもそも最初から遺留分で揉めないですよね笑。
なので、「先に〇〇円を生前贈与するから、その代わりに遺留分の放棄をしてほしい」といった交換条件を提示するのが一般的ですが、少しハードルは高めです。
そこで現実的なのが「2」の生前贈与です。
相続が発生する前に、あらかじめ生前贈与で財産を後継者に移しておけば、将来残る遺産が減少するため、請求される遺留分の金額も減らすことができます。
さらに、法改正によって「相続人への生前贈与は、相続開始前の10年間に行われたものだけが遺留分の計算に含まれる」というルール(10年ルール)になりました。
つまり、10年より前に贈与した財産は遺留分の計算から除外できるため、早めの対策が圧倒的に有利になります。
また、「3」の養子縁組で法定相続人の数を増やせば、1人当たりの法定相続分が減るため、結果として遺留分の割合を少なくすることができます。
最後の「4」ですが、法律上、生命保険金は亡くなった人の遺産ではなく「受取人固有の財産」として扱われます。
そのため、生命保険金は原則として遺留分の計算対象(ベースとなる遺産)には含まれません。
社長が元気なうちに、手元の現金を生命保険の保険料として払ってしまえば、将来の社長の遺産総額をぐっと抑え、遺留分を引き下げることができるのです。
ただし、ここで1つ大きな注意点があります。
これら1〜4のすべての対策に共通することですが、他の親族に明らかに損害を与えることだけを意図して行った場合(あからさまに遺留分をゼロにする目的で財産を隠すなど)、「公序良俗に反するため無効だ」と裁判で訴えられるリスクがあります。
極端すぎるやりすぎは禁物、ということです!
相続や事業承継をハッピーに成功させるためには、税理士や弁護士といった信頼できる専門家に相談することはもちろんですが、経営者自身が「残される家族や後継者が揉めないための準備」を今からしっかり進めておくことが何より大切です。
気になる方は、ぜひ一歩を踏み出してみてくださいね!
今回は以上となります。
繰り返しになりますが、9割の方は相続税がかからないため、怖くはありません!
ただし、多くの資産をお持ちの方は贈与も含めて、相続のことはまず専門家にご相談ください。
今回の記事が少しでも参考になれば嬉しいですが、もし、それでも心配や不安なのであれば下記講座に参加されることをお勧めします!
マンツーマンなので誰にも聞かれることがないので、思っていることを吐き出してください。
もちろん、実務的なお話もさせていただきますので、是非!
➡【経営者・後継者】失敗しない事業承継!事業承継計画のつくり方講座
➡【事業承継】会社を継ぐ不安がなくなる!後継者のための経営講座
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