こんにちは!
中小企業診断士で「下町のコトラー」こと、船越です。
最近、ありがたいことに中小企業の社長さんから「事業承継」に関するご相談をいただく機会が本当に増えてきました。
そんな中で、私が現場で経営者のみなさんとお話していて、すごく気になっている「ある共通の現象」があるんですね。
それは、、
「後継者を誰にするのか、どう育てるのか」が決まっていないのに、目先の『節税対策』や『相続税をどう安くするか』ばかりに頭を悩ませている社長さんが本当に多い、ということです。
確かに、血汗流して築き上げてきた会社の資産ですから、相続税を抑えたいという気持ちは痛いほどよく分かります!
でも、そればかりに気を取られていて、本当に大丈夫でしょうか!?
私は声を大にしてお伝えしたいんです。
事業承継で本当に大切なのは、次の「3つのバランス」なんですよ!って。
- 「経営」の引き継ぎ(会社の強みやノウハウを渡す)
- 「後継者」の育成(次期社長の経営能力を育てる)
- 「資産(相続)」対策(株や財産をスマートに渡す)
この3つのどれか一つでも欠けたり、偏ったりしてしまうと、せっかくのバトンタッチがうまくいかなくなってしまうんですね。
なので、今回はこれらについてお話ししたいと思います!
「税金はゼロになった。でも会社は傾いた・・」という悲劇
実際に、私がご相談に乗らせていただいた、ある中小企業の社長さんとのリアルなお話をご紹介します。
その社長さんは、お会いした瞬間から経営の現状の話ではなく、とにかく「相続税の対策」の話ばかりをされていました。
「自社の株をどうやって後継者に移すか」 とにかく、頭の中はこればかりです。
よくお話を聞いてみると、後継者である息子さんだけでなく、なんと小さなお孫さんたち数人にまで、毎年「110万円の非課税枠」を使ってせっせと生前贈与をされていました。
お孫さんは法律上の「相続人」ではないため、亡くなったときの相続税の対象になりにくいですし、将来の親族トラブル(遺留分の争い)に巻き込まれにくい。
そのメリットを勉強されて、かなり計画的に財産を分け合っておられたんですね。
社長は「ほら、これだけ先手を打って税金対策をしてやってるんだから、完璧でしょ!」と、すごく誇らしげでした。
ところが、、別室で後継者の息子さんにお話を伺うと、全く違う答えが返ってきたんです。
「父は株や税金の話ばかり。でも、私はそれよりも『明日からの経営』が不安で夜も眠れないんです・・」と。
社長の頭の中は、後継者には見えていない
息子さんがそこまで不安を口にされたのには、明確な理由がありました。
カリスマ経営者である社長は、長年の経験から「どのタイミングで仕入れて、どの顧客にどうアプローチすれば売れるか」がすべて頭の中に入っています。
でも、それは一切、息子さんに言葉として伝わっていなかったんです。
会社を引っ張っていくための「事業計画書」すら立てたことがなく、息子さんは「自分が社長になったら、一体何を目指してどう会社を動かせばいいのか」が全くイメージできない状態でした。
危機感を覚えた息子さんが「親父、それよりも今後の事業計画とか、私の修行について話し合いたいんだけど・・」と切り出しても、社長は、「そんな経営の話は後でいい!今はそれより株をどう動かすかが先決だ!」と、全く耳を傾けてくれなかったそうです。
これってすごく恐ろしいことだと思いませんか?
たとえ社長の狙い通り、1円も損をせずに「資産の引き継ぎ」が100点満点で成功したとしても、肝心の「経営の引き継ぎ」がガタガタのままだったら、引き継いだ瞬間に会社は迷走し、後継者が一番悲惨な目に遭ってしまいます。
後継者の育成を後回しにしたせいで、社長が交代した途端に業績が右肩下がりに傾いてしまう会社を私はこれまで何度も見てきました。
だからこそ、経営、後継者育成、資産対策の3つは、絶対に「同時並行」で行わなければいけないんです!
事業計画がもたらす最大のメリットは「期限の魔法」
では、この3つを同時に、かつスムーズに進めるためには何が必要か!?
それこそが「事業計画(事業承継計画)」なんです。
「事業計画なんて、ただの書類でしょ?」
と思われる社長さんも多いのですが、中小企業の事業承継において、計画書を作る一番のメリットは『期限(いつバトンを渡すか)をハッキリ決めること』にあります。
よくある失敗パターンがこれです。
社長は「いつかは息子が引き継じてくれるだろう」と考え、 息子さんも「いつかは自分が社長になるんだろうな」と思っている。
お互いに「いつか、いつか」と思っているけれど、じゃあそれは一体「何年何月なのか!?」が決まっていない。
その結果、お互いにデリケートな話題だからと切り出せないままズルズルと10年が経過し、気づけば社長は70代後半、後継者も40代後半になっていた・・という会社を、私は本当にいっぱい見てきました。
経営のバトンタッチを先送りにすることは、親族内承継における最大の失敗パターンと言っても過言ではありません!
人間、期限が決まっていないと本気になれない生き物です。
しかし、未来の計画を作って「5年後の〇月〇日に社長を交代する!」とデッドラインを明確に設定すると、そこから一気に会社の歯車が回り始めます。
「じゃあ、あと3年でこの目に見えないノウハウや職人技を教え込まなきゃいけないな」
「株は来年のこのタイミングで何%渡そう」
「後継者として、あと2年でこの役職を経験させて、周囲を納得させよう」
という風に、誰が・いつまでに・何をやるべきかという具体的なアクションプランが逆算で決まっていくんです。
何より、後継者の方の意識が劇的に変わります!
「いつか社長になる」という曖昧な状態と、「5年後に自分がすべての責任を負うんだ」と決まっている状態では、日々の仕事への取り組み方も、取引先を見る目も、情報のアンテナの張り方も全く変わってきます。
その瞬間から、経営者としての自覚が爆発的に芽生え始めるのです。
3つの視点で、今すぐ未来の計画を
親族内での事業承継を大成功させるために、どうか税金計算の電卓を叩くのを一度止めて、次の3つの視点でノートを開いてみてください。
- 「経営」:自分の頭の中にあるノウハウを、どう言葉にして渡すか?
- 「後継者育成」:あと何年で、どんな経験を積ませるか?
- 「資産対策」:いつ、どのタイミングで株をバトンタッチするか?
もし、
「うちの家族だけで話すと、どうしても感情的になって具体的な期限が決まらないな・・」
「何から手をつけていいか分からない・・」
と少しでも不安を感じたら、ぜひ私のマンツーマン講座に胸の内を話しに来てください!
完全なマンツーマンですので、周囲の目を気にする必要は一切ありません。
まずは社長さんの思っていること、不安なことをすべて吐き出してみませんか?
そして、実務にそったあなただけの具体的な「事業承継の進め方」を一緒に考えていきましょう!
➡【経営者・後継者】失敗しない事業承継!事業承継計画のつくり方講座
➡【事業承継】会社を継ぐ不安がなくなる!後継者のための経営講座
今回は以上となりますが、あなたの熱い一歩を下町のコトラーは全力で応援しています!
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