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経済産業大臣登録:中小企業診断士
船越ビジネスコンサルティング代表
船越です。
皆さん、夢は持っていますか?
誰しもが何らかの夢をもっていると思いますし、起業相談はそうした夢を熱く語られる方が多いです。
私にご相談に来られる方は、週末起業の内容が多いのですが、もちろん起業相談も多くあります。
今回ご紹介するのはその”夢”をテーマにした起業相談の内容です。
夢はセレクトショップを持つこと
今回は、旦那様からのご相談で、奥様の ”セレクトショップを持つ夢” を叶えてあげたいので相談に乗ってほしいとのことでした。ご相談内容は下記です。
S夫婦 夫40歳 妻27歳
- アパレルのセレクトショップを始めたい
- ネットではなく、対面での接客がしたい
- 奥様は販売員とバイヤー経験あり
- 旦那様は体調の問題で働くことは可能だが、転職を考えている
- 資金5万~10万
この場合、どういった助言をするのがいいのでしょうか。
正直、何が正解かは分かりません。
なぜなら、何事もやってみないと分からないからです。
そういった状況で、私はどういった助言をしたでしょうか?下記からお選びください。
- 夢を叶えてあげたいので、セレクトショップを始める前提で話を進める
- セレクトショップのうまいやり方を助言する
- 資金が少ないので、資金調達方法を助言をする
- アパレル業界は今は厳しいので、夢を諦めさせる
4つの内で、正解は、、
実は、どれにも当てはまりません。(いじわる質問ですみません!)
4.に少し近いですが、少し違います。
正解は、”週末起業・副業から始める” です。
私はいきなりセレクトショップを始めることには反対です。
というより、店舗を構えるスタートをおススメすることはありません。
なぜなら、今かなり厳しいマーケットであるアパレル業界で、資金力もない、特別な強みもなし、では到底勝てる見込みがないからです。
このような状態で夢のためとは言え、ハイリスクで店を構えることは絶対に反対なのです。
店を構えようとすると、固定費がかかります。
新規出店であれば借入が必要となってきますし、店舗を借りるにしても家賃が発生します。
また、人件費もかかりますよね。
私は財務コンサルタントでもあるので、なるべく経費(固定費)は抑えるように助言しております。
なぜなら、多額の投資によって後ほど苦しんでいる企業をいっぱい見ているからです。
売上不振に陥って借入金を返済できないとなると、本当に悲惨な目に遭うので、注意が必要なんですね。
やりたいことで起業しない
以前のブログでも言いましたが、やりたいことで起業するのは危険な場合があります。
例えば、やりたいこと(夢)がラーメン屋で、人が集まる激戦区で店舗を構えたい。
ただ、ラーメンを作った経験がない。
これは極端な例ですが、つまり、やりたいこと(夢)で起業するにも、やりたいことに強みがなく、勝てる見込みがないマーケットであればあっという間に店は潰れてしまいます。
この場合、ラーメンが好きでラーメン情報に強みを持っている方なのであれば、店を構えるのではなく、ラーメン情報を販売する、またはラーメン情報を駆使してラーメン有名店と手を組みネット販売する等、ラーメンはラーメンでもマーケットを変える必要があります。
これが土俵を変えるということです。
この方法であれば、好きなラーメン業界に進出することは可能であり、現実的な方法ですよね。
この考えは、ビジネスモデルを構築する際に非常に大切な要素となります。
つまり、自分の強みを知り、強みが活かせるマーケットを選ぶ必要があるのです。
この強みとマーケットの詳細はこちらの記事をご参考にしていただければ幸いです。
【参考記事】やりたいことで起業しない!失敗しないためにはマーケットと強みが重要な理由
続きとなります。
セレクトショップを持ちたいという夢を叶えるために独立したいというご相談内容ですが、いい加減に助言するわけにはいきません。
なので、違う方向での話をしました。もちろん、全否定をすることなく、さりげなくです。
ビジネスモデルの詳細は避けますが、簡単に言うと、
まずはセレクトショップを持つこと以外で、アパレルの週末起業をする
↓
安定収入を得ているうちに、見込み客、人脈をつくる
↓
資金と見込客、人脈ができればセレクトショップを始める
ということです。
最初は不思議そうな顔をしておられましたが、旦那様からの週末起業の同調もあり、ビジネスアイデアが色々と湧き出た結果、なかなか面白そうなビジネスモデルとなりそうです。
最後は奥様も、「それなら資金無いながらもできるんじゃない!?」と手応えをつかんだ感じで帰って行かれました。
ここでのキーポイントは、
- はじめは最小限のリスク
- テストマーケティング
なんですね。まとめると、
- 夢かもしれないけど、今はセレクトショップはだめ!(きつく言うことなく、結果的にやんわり、そういう展開にした)
- 週末起業、副業から始める
- 周りから固めて、店は見込み客と売上ができるようになってから
- 旦那さんも体には気を付けてもらうのが前提ですが、ちゃんと働いてもらい、安定収入を得ながら活動すること
そして具体的な短期的な戦略と、長期的な戦略、を助言させていただきました。
週末起業という発想には最初は驚かれましたが、資金がないということ、リスクが少ないことで早速始めることになったのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はお二人には強みとマーケット、週末起業のことを理解していただいた上に、「ビジネスモデルの大切さ」もご説明いたしました。
強みとマーケットを選ぶうえで、ビジネスモデルの考えは非常に重要となります。
最後には分かっていただいたみたいで、良かったと思います。
まずは、リスクを少なく週末起業からスタート。
そこで成功すれば、次が見えてきます。
たとえ失敗しても、損害は最小限で済みます。
大切なのは、起業に人生の全てをかけてはいけないということです。
そのためには何事も慎重に、でも慎重になりすぎずに動くようにしましょう!
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