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中小企業診断士
船越ビジネスコンサルティング代表
船越です。
今回は
‟会社員が起業・新ビジネスで失敗しない方法”
を解説していきます。
私は起業・新事業支援を行っておりますが、実際に起業、新ビジネスで失敗したくないという内容の相談は多いんですね。
たいていの方は、起業、独立、新ビジネスには、「儲かる」「やりたいことができる」等の前向きなイメージをお持ちなのですが、中には、「失敗する」という悪いイメージを持っておられます。
はたして、本当にそうなのでしょうか?
確かに、起業、新ビジネスは簡単ではありません。
しかし、考え方や、やり方を間違えなければ、失敗を避ける可能性は高くなります。
ただ、もし失敗したくないのであれば、「絶対にやってはいけないこと」があります。
それは何か?
私の経験や様々なビジネスモデルを交えて解説していきたいと思います。
会社員でも誰でも起業できる
以前は株式会社を設立するのに最低でも1,000万円の資本金が必要でしたが、今は資本金1円でも株式会社の設立が可能です。
また、個人事業主がからスタートすることもできます。
個人事業主であれば、お金はかからないですし、気軽に起業できるのが利点です。
私も個人事業主ではありますが、意外とあっさり起業できるんだなと思いました。
個人事業主のメリットは後ほど解説していきます。
もし、お金がなければ、逆の発想をすることが大切です。
- お金がないということはリスクが少なくなること
- 失敗できないので、深く考え知恵を絞るようになること
- お金のことに敏感になり、赤字になりそうなときは素早く対応するようになる、等です。
今の時代、お金をかけずにとも0円でネットショップやネットビジネスで起業し、成功している人は多くいます。
私の周りでも実際にいますが、ある方は中国から珍しいものを仕入れ、転売することで儲けています。
こういった感じで、お金をかけないとビジネスができないという考えはもう昔の話で、今は考えや工夫次第で、より良い商品(サービス)を提供することが可能なのです。
ただ、資金は必要ありませんが、
”なぜ起業したいのかを明確にする”
ことは重要となります。
あなたはなぜ起業したいのか?
なぜ起業したいのか?
考えることはまず、いわゆる5W1H、てやつですね。
「5W1Hとはいつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」
プラスで、それをした結果どうなるか。
これを是非とも意識してください。
- いつ起業するのか
- どこでビジネスを行うのか
- 誰と行うのか、誰が行うのか
- 起業して何をするのか
- なぜそれをするのか
- どうやってやるのか
- 起業して自分は幸せになれるのか
- 周りは幸せになるのか
これらを意識することで、起業する理由等が漏れなく列挙され、自分の考えが具体化されすっきりします。
また、自己実現のためはいいですが、ただ単に、会社生活が嫌・自由に生きたい・格好いいから等の具体的な目標設定からの逃げ道としての自己実現はよくありません。
理由は、逃げ道の自己実現で起業した人は、また逃げ道を作ってしまう可能性があるからです。
起業すれば、代表として逃げ道がなく、相当な覚悟が必要だと認識してください。
そうです、失敗したくなければ、まず覚悟が必要なんです。
覚悟がないために土壇場で逃げてしまう代表の会社に未来はありません。
夢だけでは起業してはいけない
決して夢だけでは起業してはいけません。
実際に私のもとにも、起業したいけど金がないという相談者がよく来られます。
先日もそういう方が来られました。
【参考記事】夢あふれる起業相談内容とは
この傾向は大企業の方によく見られます。
大企業という看板があると中小企業では経験できない金額が大きい仕事ができるため、無意識的に、大きな仕事をしているから自分は優秀な人材だと思い込んでいるケースが多いんです。
以前、シャープを追い出された中年社員たちが再就職できずに困っているニュースがありましたが、彼らなんかはその典型的な例ですね。
また、大企業にいれば、人脈もあるので起業すれば成功するだろうという妄想も抱きがちです。
しかし、残念ながら、それは会社の看板のおかげだという方が結構おられます。
例えば、新規先で会社名を出せば、話ぐらい聞いてくれる会社も多いでしょうし、知名度で寄ってくる会社もいっぱいあるはずです。
そこで勘違いしてしまうんですよね。
少し前に大企業の方の起業相談に乗りました。
【関連記事】大企業の方の相談内容はこちら
しかし実際には、起業や独立で成功するのは、どちらかといえば大企業よりもむしろ、ベンチャーや中小企業で活躍している人の方が多いような気がします。
理由は大企業の方は仕事が細分化されていないため、あまり多くの作業に慣れていないのです。
私は、“一部上場企業”から“10名以下の会社” まで経験しており、その辺はよく分かっているつもりです。
中小企業にいると、コピー取りからファイルのシール貼りまで、全部する必要があります。
もちろんお茶くみもしますし、電話番もしますし、とりあえず何でもありなのが中小企業なんですよね。
そこで私は営業をやっておりましたが、”営業だけが仕事” なんかありえません。
企画もやりましたし、生産、人がいなければビラ配り、経理が休めば簡単な経理、債権回収の取り立てまでやってました。
そして新規先に行けば、無名なので、クソ扱いされますし、もちろん相手からやってくることもありません。
普段からそういう環境でやってるんで、精神的にも強くなります。
なので、起業したての状況では何でも貪欲にやる必要があるんで、それに慣れている中小企業出身者の方が有利なのは確かです。
「大手企業出身者には人脈があるではないか!」
確かに最初はあります。
ただ、その人脈は本物ですか?
よくある話が定年退職したら、誰も家に来なくなったという話はドラマでもよくある話です。
しかも、その人脈だけに頼っているとえらいことになります。
【参考記事】人脈に頼るとなぜいけないのか
決して大企業出身者がダメというわけではなく、上記の理由から中小企業出身者の方が有利だということです。
大企業出身者には退職金も大きいでしょうし、中小企業出身者にはできない要素を活用して起業するのがいいのかもしれませんね。
ただ、やりたいこと、好きという理由だけで起業するのは避けてほしいんですね。
理由はこちらの記事で確認していただければと思います。
【関連記事】やりたいことで起業しない!マーケットと強みが大事なんです
起業で失敗する原因
では起業で失敗してしまう原因は何でしょうか?
上記で人脈に頼ってしまう失敗例を挙げましたが、その他に何があるでしょう?
次から、失敗しやすい人の特徴を取り上げます。
◆資金繰りが苦手な人
開業資金ではなく、運転資金で失敗する例が多いですね。(運転資金とは、経営を行うにあたって必要な資金のこと)
よく勘違いされるのは、決算書さえ見ておけば、お金の面は大丈夫!ということ。
本当でしょうか?
私は財務が得意な経営コンサル会社にも所属していたのでよく分かるのですが、決算書は過去の成績であり、未来のことは語ってくれないのです。
一番重要なのは、現金預金。
決算書を詳細に読める必要はありませんが、とりあえず資金繰りをしっかりしてください。
詳細は避けますが、大事なのは、未来のキャッシュフロー計算書であり、資金繰り表なのです。
資金繰りに関しては、下記の記事を参考にしてください。
【関連記事】決算書より大切な資金繰り
ある例として、某会社は月次決算書(残高試算表)をしっかり作って、社長自身はそれを見ながらも借入をして設備投資を行っておりました。
しかし、なぜか資金が足りない、月次決算書(残高試算表)を見ているのに、なぜか分からない。
答えは、借入過多で毎月の返済額が大きすぎて利益償還できず、資金がショートしているのでした。
原因はキャッシュフローを見ていないからです。
試算表では現金の流れは分かりません。
利益が出ていても、借入金の返済額を見ていなければ、資金ショートして極端に言えば、利益があっても倒産してしまうのです。
起業資金は少なくてもいいですが、黒字倒産(勘定合って銭足らず)状態になるのは避けましょう。
◆逆転志向の人も要注意
経営は継続してなんぼであります。
経営で一番大切なのは高売上、高利益ではなく、倒産しないことです。
極端に言えば、利益がなくても経営し続ければ問題なし。(もちろん、脱税等はなしで)
経営する難しさはデータでも出ています。
起業して10年後に生き残っている会社はたった5%しかないという残酷な現実があるんです。
確かに、やってみないと分からないでしょうが、でかい商売ではなく、小さい商売を積み重ねていきましょう。
◆堂々巡りタイプ
良いアイデアが浮かぶが誰かから難しいと言われ落ち込む、そんなことを繰り返しているうちに数年が経ってしまうパターンです。
こういった堂々巡りタイプは難しいです。。
【参考記事】堂々巡りタイプとは?
◆放射型タイプ
切り替えがとても早く、少し手を出してはうまくいかず、また新しい分野にチャンレジするもののうまくいかず、というようにこれを延々と繰り返してしまうタイプも同じく、成功への道のりは遠いです。
これを放射型タイプと言います。
このタイプもならないように気をしましょう。
【参考記事】放射型タイプとは?
起業アイデア・ネタはどうする?
では起業アイデアはどこから探すのか?
元々、アイデアがある人はいいのですが、ない人は探すのに苦労するはずです。
- インターネットから?
- 知人・友人から?
- ニュースから?
一番多いのが、アイデアは自分の経験から選ぶことです。
理由は、慣れているから、経験があるから、その業界に詳しいから等です。
ネットでも、
「今の自分ができること、スキルや知識でできること」
で起業しなさいみたいなフレーズをたまに見ます。
確かにそれが確実だとは思います。
が、プラス大切なことは、
- 勝てるマーケットであること、
- 自分の強みが活きること
この2つの方が大切なんです。
自分の強みが活きるマーケットを探しましょう。
【参考記事】勝てるマーケットとは何か?それ以外で必要なこと
【関連記事】勝てるビジネスモデルを構築するためには?
お金がない!場合は副業から始めてみよう
私が起業したいけどお金もなし、失敗したくない人におすすめなことは、
「副業から始めること」です。
これは起業相談者にもよく言います。
先日も実際にそういう相談に乗りました。
こちらの相談者も夢を叶えたい起業でしたが、私は起業することには、やんわり反対しました。
理由は記事をみていただければ、と思いますが結論としては副業から始めることをお勧めしたのです。
【相談記事】副業から始める編
理由としては、副業から始めればリスクがゼロだからです。
もちろん、仕事をしているので、時間は取られるとは思いますが、リスクはないので(会社にバレたらまずい人には多少のリスクがありますが。、)失敗しても大きな損失にはなりません。
「費やした時間がもったいなかった!」
こう思うかもしれませんね。
しかし、次のステップにもなるので、決して時間の無駄にもならず経験として活きるはずです。
実際に起業する場合はどうすればいい?
では実際に起業しよう!
と思った場合はどうしたらいいのでしょうか?
となると、まずは個人事業主として開業しましょう。
【参考記事】仕事をしながら個人事業主になる方法とは?個人事業主でメリットを得る!
ただ、個人事業主とは言え起業となると、不安要素がありますね。
その不安要素を次から解説します。
◆資金は大丈夫?
資金がどれぐらいあるか確認する必要がありますね。
個人事業主であれば、確かにお金は必要ありませんが、少なくとも生活費はかかります。
副業でない限り、最低限の生活費は確保しましょう。
まったく資金がない場合はバイトしながらでも生活費は確保してください。
◆運転資金は大丈夫?
たとえば仕入れが発生するビジネスにおいては、最初は現金で仕入れをしなければならないはずです。
理由は、販売元は信用がないとこに売掛で販売したくないからです。
逃げられる可能性もありますからね。
先にお金が発生する場合は、その間の運転資金を計算して、その分だけでも確保してください。
やはり、資金繰りは大切です。
黒字でも資金がショートすれば即倒産なので、資金繰りだけはしっかり把握しておいてください。
【参考記事】決算書読み方の本の人気ランキングを検索するより大切な資金繰り
◆戦略はあるか?
事業計画は立ててますか?
無い場合は作りましょう。事業計画については下記記事をご確認ください。
【関連記事】事業計画とは何か「事業計画を活用した資金調達と公的な支援制度」
計画がなければ自転車操業となってしまい、すぐにお金がショートします。
経営を継続するには何よりも現金が必要ですので、資金繰りと、最低でも1年ぐらいの計画は立ててください。
万が一、資金がショートしそうになった場合は下記のサイトでいくら資金調達が可能かを確認するのもいいと思います。
◆補助金活用の手もある
起業するにあたって、補助金を活用する手段もあります。
有名なところでいうと、創業補助金、小規模事業者持続化補助金、IT補助金、等です。
これらは申請時期が決まっており、いつ公募するか分からないので、こまめにチェックするか、専門家に相談してみましょう。
補助金はもらったほうがいいと思います。
なぜなら、基本的には返さなくてもいいお金だからです。
例えば、ものづくり補助金であれば、1000万ほどの設備投資の補助金も出ますので、知らないと損しますよ!
ただ、この補助金の申請は私もたまにやりますが、初めての人はおそらく自分で申請できません。
応募の仕方もややこしいですが、とにかく、何を書けばいいのか分からないからです。
さらに、高額な補助金となると、私たちみたいな、専門家の取り合いになりますので、(理由は高額な成功報酬です)勝てる確率がかなり下がります。
なので、手数料はかかりますが、手間がかからないプロの専門家に依頼した方が無難でしょう。
商工会議所等でも相談はやってますので、気軽に行ってみてください。
http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/koubo/
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今は昔と違い、お金がなくとも簡単に起業できる時代なのですが、起業者は少ないのが現実です。
理由は起業はリスクが高いと思われてるせいですが、実はそんなことはありません。
なぜ起業をしたいのか、夢だけでなくしっかりと計画をしているか。
そして失敗するリスクを分析し、自分の強みを活かせる・勝てるマーケットでのビジネスアイデアを考えれば、限りなくリスクは抑えられます。
それでも怖い場合は週末起業・副業から始めてください。
ただ副業においても全力で取り掛かってください。
ダラダラしていれば、とても起業なんかできません。
そして、起業、新ビジネスにおいては「ビジネスモデル」がとても重要となります。
理由はビジネスモデル次第で、戦う戦場、競合が決まり、その競合が強くなければ勝てる確率がかなり上がるからです。
つまり、起業、新事業はもちろん、副業においても早く成功できるかどうかは、ビジネスモデルで決まります。
なので、ビジネスモデル構築のヒントを下記から登録していただければ、無料でお教えします!
起業できる人と起業できない人の違いは、勝てるビジネスモデルを構築し、計画を立ててちゃんと実行しているかどうかです。
そして、行動できるかどうかが重要。
悩んでばかりで、結果何もしない人が多いのが現実なんです。
何もしなければ、全く前には進みません。
なので、まずは小さいことからでもいいので行動しましょう!
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